A 一般では販売されにくい商品が多いのが特徴です
現実的に、提案できるのが富裕層しかいない、または、自然と富裕層に提案が集まる、というような「富裕層向け」とされる商品があります。そのうちの4例をご紹介します。
【例1】日本非売ファンドを組み入れた外国籍投資信託
オーダーメイド商品の一例で、海外で運用されていて通常日本では購入できないヘッジファンドを、日本でも購入できるように導入した外国籍投資信託です。これらは、株式や債券といった一般的な金融商品との関連性や相関関係が低いため、分散投資の効果を高める商品として富裕層の資産運用に多く取り入れられています。
【例2】損害保険市場に投資する私募投資信託
金融市場とは基本的に関連性の薄い損害保険市場に投資する私募投資信託です。損害保険市場関連の商品は、想定外の大規模な災害が発生して保険金の支払いが増加するような場合には、商品としての価格は下落傾向になりますが、そうでなければ比較的安定的なリターンが見込めます。
【例3】一任勘定契約
顧客から「銘柄」「売買の別」「価格」「数量」の全てを決定する権限を委任される契約を結ぶファンドラップです。一般的なファンドラップに比べると投資金額は格段に大きくなるため、提案先はおのずと富裕層になります。より細かい運用方針を選択できたり、個別銘柄の組み入れが可能であったり、海外の富裕層が利用している投資商品と同じ投資が可能になったりするというメリットがありますが、コスト面では有利でも、運用自体が必ずしも優位であるとは限らない、リスク含みの商品です。
【例4】保有金融資産を担保にするローン商品
証券会社でも一部取り扱いはありますが、富裕層ほど利用しているケースが多いものに、「保有金融資産を担保にするローン商品」があります。外資系金融機関は、富裕層向け金融サービスを銀行と証券の両輪で営業をしているため、ローン商品の取り扱いがあります。仮の話ですが、何かの投資チャンスに対して機動的に動きたい場合、保有金融資産を換金することなく、例えば1%で借り入れ、3%で運用できれば合理的、という考え方です。
興味深いことに、金融資産や運用資産が多いケースほどローンの利用率も多いようです。徹底したリスク管理を行う富裕層だからこそ、理にかなったレバレッジをかけてより効率的な運用を実現しているのです。