2023年1-3月期は19%減収、スマホのプレミアム化とコスト管理で採算性は改善

現地コード 銘柄名
01810

小米集団

(シャオミ)

株価 情報種類

10.40HKD
(5/25現在)

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 中国のスマホ大手、小米集団の2023年1-3月期決算は売上高が前年同期比19%減の590億元にとどまる半面、調整後の純利益は32億元と、市場予想を18%上回った(純損益は42億元の黒字に転換)。スマートフォン部門の粗利益率の回復と経費の抑制が寄与した。米ドル高や広告支出の萎縮といった逆風下で、市場の先行きは見通しにくく、BOCIは採算性の改善と高価格帯へのシフトに向けた経営努力がマイナス要因を相殺するとの見方。スマホの新機種、「Mi-13/13S」の国内外市場での売れ行き(在庫回転率)を楽観し、平均販売価格と利益率の上昇を見込む。2024年予想PER(株価収益率)30倍をあてはめ、目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに強気見通しを継続している。

 1-3月期の売上高はBOCIの予想通りだったが、市場予想を4%下回る水準。調整後純利益はBOCIと市場の予想からそれぞれ17%、18%上振れた。粗利益率は19.5%と、前年同期比で2.2ポイント改善したが、これはスマホの部品価格の低下と製品構成の優良化によるもの。また、販促費の抑制で、営業利益率も市場予想を小幅に上回る3.8%だった。在庫は前四半期比で16%減の430億元に縮小し、在庫処理の進展をうかがわせている。

 主力のスマホ部門の売上高は前年同期比24%減の350億元。出荷台数は22%減の3,000万台にとどまり、世界シェアは11.3%で3位だった(カナリス調べ)。ただ、平均販売価格は前四半期比3%高の1,152元。製品構成のプレミアム化や米ドル安、部品コストの低下を受け、粗利益率は1.4ポイント改善した。BOCIは2023年通期のスマホ出荷台数について前年比7%減の1億4,000万台を見込み、平均販売価格に関しては7%高の1,183元を予想。「Mi-13/13S」や新規のハイエンド機種が平均価格と利益率の改善に寄与するとみる。

 IoT(モノのインターネット)家電部門の売上高は海外での不振を受け、前年同期比14%減の170億元だったが、粗利益率は過去最高の15.7%。BOCIは新たな在庫管理法や原材料価格の下落、大型家電の貢献などで、AIoT(AIとIoTの融合)の売上高が下期も好調を維持するとみている。粗利益率も堅調を維持する見通しという。

 一方、ネットサービスの売上高は前年同期並みの70億元と、フィンテックと広告の不振が響いた。ゲーム収入は当局による配信認可の加速を背景に16%増。BOCIは広告の萎縮を予想しながらも、スマホ出荷の復調とゲーム認可の緩和、海外事業の収益化により、部門売上高が4-6月期以降、回復に向かうとみている。

 BOCIは広告収入の低迷見通しなどを反映し、2023年の予想EPS(1株当たり利益)(調整後)を1%引き上げる半面、2024-25年は各3%減額修正した。2024年予想PER30倍(新規のEV事業向け支出を除外すると17倍)をあてはめ、目標株価を下方修正しながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。レーティング面の潜在リスク要因としては国内での競争激化の可能性や、地政学的な対立、インド当局との課税絡みの対立を挙げている。