2023年1-3月期に6%減益、下期の原油相場の上昇を予想

現地コード 銘柄名
00883

中国海洋石油

(CNOOC)

株価 情報種類

12.42HKD
(4/28現在)

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 中国最大のオフショア石油開発会社、CNOOCの2023年1-3月期の純利益は前年同期比6%減の321億元と、BOCIの予想を2%上回った。原油の実勢販売価格は前年同期比24%下落したが、石油・ガス生産量の同9%の拡大とオールインコスト(費用総額)の8%の削減でほぼ相殺した。BOCIは世界的な供給ひっ迫見通しから、2023年下期の原油価格の上昇を予想。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 1-3月期の石油・ガス生産量は前年同期比9%増の1億6,390万BOE(石油換算バレル)。同社が示した通期見通しの約25%を消化した。相対的に高い伸びを支えたのは、海外プロジェクトの高成長。中でも南米の新規プロジェクトの貢献が、自社予想を上回る水準に達した。

 単位(1BOE)当たり営業費用は前年同期比7%減の7.0米ドル。同費用総額は8%減の28.2米ドルだった。厳しいコスト管理の継続や原油価格の低下を受けた超過利潤税(ウィンドフォールタックス)の縮小に加え、新規プロジェクトにおける生産量の増加や既存プロジェクトの回収率(採取率)の改善で、単位当たり減価償却費が縮小したことが寄与した。

 原油の実勢販売価格は前年同期を24%下回る1バレル当たり平均74.2米ドル。ブレント原油相場の同期の値下がり率(同平均16%)を超える下落ペースとなった。南米およびカナダでの生産量が相対的に高い伸びを示したため。両地域の原油価格が連動する二つの指標、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)とWCS(ウエストカナダセレクト)、特にWCSがブレント原油比でディスカウント水準にあることが影響した。

 BOCIは2022年通期と2023年1-3月期の決算を受け、収益モデルをアップデート。2023年、2024年の予想純利益をそれぞれ1.0%、0.6%引き上げる半面、2025年に関しては2.7%減額修正した。

 同社株価は年初から好調に推移しているものの、現在株価の2023年予想PER(株価収益率)は約4.1倍、2023-2025年の予想配当利回りは9%超。依然魅力的な水準にあるとしている。

 BOCIは石油・ガス埋蔵量の拡大を反映させる形で利益モデルを更新し、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく1株当たりNAV(純資産価値)を16.70HKドルから18.49HKドルに上方修正。2016年以降の対NAVディスカウント率の中央値(11.4%から11.5%に拡大)をあてはめ、目標株価を引き上げた。新たな目標値は2023年予想PERで5.4倍相当の水準となる。一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIは原油相場の急落の可能性と、予想外のコスト増の可能性を挙げている。