小売販売額が3月に改善、4-6月期には伸び率加速へ
現地コード | 銘柄名 |
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02331 |
李寧 (リネイ) |
株価 | 情報種類 |
59.50HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のスポーツ用品大手、李寧の2023年1-3月期の小売販売額は前年同期比1桁台半ばの伸びとなり、ほぼ市場の予想と一致した。直営店舗の販売額が10%台半ばの伸びを確保し、オンライン販売の10%台前半の落ち込みをカバーした。3月単月では、小売販売額は前年同月比20%増と好調で、4月に入ってからはさらに加速しているという。経営陣は現時点で、2023年通期の売上成長目標を前年比10%台半ばに据え置いている。BOCIは売れ行きの回復を背景とした値引き率の改善や在庫の健全化が、2023年の利益上振れにつながるとの見方。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。
1-3月期には既存店売り上げが落ち込む中で、店舗数の増加が小売販売額の伸びを支えた。オフラインでは直営店、代理店の小売販売額がそれぞれ10%台半ば、1桁台半ばの増加率を示したが、これは既存店売り上げがそろって1桁台前半に落ち込む中、店舗数の約200(直営店)、約100(代理店)の純増が寄与したため。また、ネット通販の小売販売額は1-3月に10%台前半の減少幅だったが、オンラインの既存販路では20%台前半の落ち込み。「得物(DEWU)」「ピン多多(Pinduoduo)」「快手(Kuaishou)」など、相対的に高成長の新興ECプラットフォームへの出店が奏功した。流通在庫は3月末に4-4.5カ月分(2022年12月末は4.2カ月)で、在庫期間6カ月以内の商品がうち80%。また、オフラインの小売りレベルの値引き率は1-3月に、前年同期比で1桁台半ばの悪化率を示したが、3月には1桁台前半に下げ止まり、4月に入ってからは前年同期比で改善傾向に転じたという。
続く4-6月期には、小売販売額の増加ペースは加速する見込み。経営陣によれば、1-2月に減少した小売販売額は、3月には全販路で前年同月比20%増を達成し、4月には同30%超の伸びを示している。オンライン販売も3月にはプラス成長を回復し、4月には加速傾向。また、2023年10-12月期向け商品の先行予約と在庫補充用の注文はいずれも力強く推移しており、代理店心理の改善をうかがわせているという。製品カテゴリー別では、ランニング用が特に好調。スポーツウエアを普段着に取り入れたアスレジャーの「中国李寧」(China Li Ning)ブランドの小売売上高は、1-3月に前年同期比マイナスとなったが、3月、4月にはプラスに転じた。また、子供向けの「李寧YOUNG」の小売販売額は1-3月に2桁増。経営陣は2023年通期の売上成長目標を「前年比10%台半ば」という控えめな水準に据え置いている。
BOCIは2023-25年の利益見通しを据え置き、目標株価を現行水準に維持した。目標株価のベースは2023年予想PER(株価収益率)35倍。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、新型コロナウイルスに関する不確実性や、小売業務改革が不成功となる可能性、「中国李寧」のブランド価値が劣化する可能性を挙げている。