2023年の売上見通し減額修正も上海チーズメーカーの連結化などで堅調維持か
現地コード | 銘柄名 |
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02319 |
中国蒙牛乳業 (チャイナ・モンニュウ・デイリー) |
株価 | 情報種類 |
32.60HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の乳製品大手、中国蒙牛乳業の2022年12月通期の純利益は、事業環境の悪化を反映して市場コンセンサス予想の下限にとどまり、経営陣は2023年以降の売り上げ見通しを下方修正した。BOCIはこれが投資家を失望させる可能性に言及しながらも、営業利益率を0.3-0.5ポイント引き上げるとの目標やチーズメーカー上海妙可藍多食品科技(600882;Milkground)の連結化といった事業計画を考慮すれば、2023年の見通しはそう悪くないと指摘。食品銘柄の中では最も弾力性の高い銘柄になると評価し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
2022年通期の純利益は前年比5.5%増の53億元と、BOCIの予想通りだったが、市場の予想には届かなかった。下期の新型コロナ感染の再拡大に伴うロックダウンなどの影響で、「Milk Deluxe」(特侖蘇)やその他製品の売れ行きが悪化したため。さらに、のれん代減損7億4,200万元の計上も利益を圧迫した。ただ、この要因を除外した営業利益は前年比12%増。営業利益率は0.4ポイント改善し、BOCIの予想を上回った。
経営陣は個人消費の戻りの鈍さを理由に、2023年の売上高の自律成長目標(上海妙可藍多食品科技の連結化要因を除く)を1桁台半ばから後半に設定。その上で、グループ全体の営業利益率を0.3-0.5%引き上げた。BOCIはこれが経営目標の見直しに当たるとの見解。「2021-25年の5年間で売上高を倍増させる(年平均15%増収)」という明確な目標を実質的に取り消したことが、投資家を落胆させる可能性を指摘している。
ただ、BOCIは2023年の業績をさほどネガティブには見ていない。理由は◇上海妙可藍多食品科技(2022年の売上高は48億元)の連結化で、売上高が約5%上乗せされる、◇アイスクリーム(22年に33%増収)やチルド牛乳、チーズなどの販売好調が続く見通し、◇のれん代減損がはく落する見込み――。仮に2023年4-6月期も中国経済の回復傾向が続けば、経営陣が売上見通しを再び引き上げる可能性があるとしている。
また、同社は2016年以来となる自社株買いを2023年2月に再びスタートさせており、これが株価の調整圧力を軽減する見込み。設備投資は2022年にピークを迎え、同年末の手元現金は128億元。BOCIは自社株買いの継続を見込むと同時に、成長の加速に向け、新たなM&A(買収や合併)に動く可能性を指摘している。
BOCIは消費の鈍化見通しと上海妙可藍多食品科技の連結化による効果を同時に反映させた上で、2022-24年の予想EPS(1株当たり利益)を3-5%減額修正。2024年予想PER(株価収益率)20倍をあてはめ、目標株価を引き下げた。ただ、最近の株価の調整は行き過ぎとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、乳製品の販売低迷、予想外の販管費の増大や減損の計上、競争激化などの可能性を挙げている。