2022年決算は利益率回復で11%増益、工業セクターの高配当銘柄
現地コード | 銘柄名 |
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03969 |
中国鉄路通信信号股フン有限公司 (チャイナ・レールウェイ・シグナル・アンド・コミュニケーション) |
株価 | 情報種類 |
3.02HKD |
株価 企業情報 チャート |
鉄道運行システムの総合プロバイダー、中国鉄路通信信号は、前年同期実績の低さと利益率の回復を背景に、2022年下期に高成長を達成した。下期の売上高は前年同期比6.6%増。粗利益率が20.7%から23.6%に改善し、金融費用が53.3%縮小したことで、下期の純利益率は前年同期の7.0%から7.8%に上向いた。2022年通期では、売上高は前年比4.9%増、純利益は11%増と、市場コンセンサス予想をやや上回る数字。通期の配当性向は51.5%と、前年(55%)に迫る水準だった。BOCIは高配当性向と現在株価の低バリュエーションで、2023年の予想配当利回りが5.6%に達していると指摘。2023-2024年の予想売上高を据え置きながらも、粗利益率、純利益見通しを増額修正し、目標株価を引き上げた。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。
BOCIは51.5%の配当性向に注目し、自社がカバーする工業銘柄の中でも、ハイイールド銘柄の一つだと指摘している。同社にとって、2022年は市場コンセンサス予想を上回る好決算を達成した最初の年。前年比4.9%の増収、11%の増益を確保し、市場予想とBOCIの予想をいずれも小幅に上振れた。部門別では、運行システムの導入業務が前年比9.4%増収で、建設請負業務が5.1%増収。その他の設計・統合部門、設備製造部門の売上高はいずれもほぼ横ばいだった。
2022年通期の粗利益率は23.1%と、前年の21.5%から改善し、市場予想を上回った。販管費は前年比わずか5.3%増と、ほぼ増収率並み。さらに金融費用の縮小が純利益率の9.0%への拡大に寄与した(前年は8.5%)。
健全なキャッシュフローを背景に、通期の配当性向は51.5%。BOCIは同社のような設備メーカーだけが達成できる高配当性向だと指摘。2023年の配当利回りが5.5%を上回る見通しを示している。
BOCIは粗利益率や純利益率、純利益に関する予想を小幅に上方修正した。修正後の2023-2025年の予想増益率はそれぞれ前年比8.7%、5.4%、6%。また、算出ベースを2023年予想に切り替えた上で、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく同社の目標株価を引き上げた。目標水準までの上値余地に言及し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、建設請負事業の利益率に関する不透明感を挙げている。