2022年10-12月期は6%増収、「2024年の採算点到達」が優先課題に
現地コード | 銘柄名 |
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09626 |
ビ哩ビ哩 (ビリビリ) |
株価 | 情報種類 |
153.10HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の動画プラットフォーム、ビリビリの2022年10-12月期の売上高は前年同期比6%増の61億元と、同社の事前のガイダンスや市場予想、BOCIの予想のいずれにも合致した。モバイルゲーム収入と広告収入が低迷する半面、付加価値サービス収入とEC(ネット通販)その他収入が堅調。粗利益率は20.3%に改善し、希薄化後の1株当たり損失は3.31元(非GAAPベース)と市場予想通りの水準だった。同社は2023年通期の売上高について240億-260億元との見通しを示したが、上限は市場予想を2%下回る数字。BOCIは同社が中核事業(モバイルゲーム、広告、ライブストリーミング)に照準を合わせ、非中核事業向けの経費を厳格に抑制すると予想。「2024年の損益分岐点(非GAAP)到達」というコミットメントの履行を最優先させるとみて、予想売上高を減額する半面、利益率の見通しを上方修正した。2023年予想PSR(株価売上倍率)2.4倍を基に目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
2022年10-12月に低調だった広告収入について、BOCIは短期的な圧力を予想しながらも、2023年4-6月以降の段階的な回復を見込む。モバイルゲームに関しては、4-6月期の後半から持ち直すとの見方。同社が複数の自社開発ゲームとライセンスゲームの国内外市場でのリリースを予定していることに言及した。一方、ECその他事業では、eスポーツの「リーグ・オブ・レジェンド」トーナメントの条件変更に伴うサブライセンス料のはく落や、低利益率の一部ECビジネスの縮小などが売り上げに影響する見込み。BOCIはこうした要因を反映させる形で、2023-24年の広告、メンバーシップ、ECその他事業の売り上げ見通しを減額修正する半面、モバイルゲーム収入見通しを増額修正した。また、同社全体の予想売上高を引き下げながらも、効率化とコスト削減見通しを理由に、予想粗利益率を小幅に上方修正した。
10-12月期にはモバイルゲーム収入が前年同期比12%減の11億元、広告収入が5%減の15億元と、BOCIの予想をそれぞれ3%、5%下回った。付加価値サービス収入とECその他収入は24%増の23億元、13%増の11億元と堅調に推移した。戦略の調整により、MAU(月間アクティブユーザー)は前期比で2%減少したが、DAU(1日あたりアクティブユーザー)は3%の伸びだった。
BOCIは2023年の売上高を249億元と予想。その上で、予想PSR2.4倍(2.0倍から上方修正)をあてはめ、同社の香港上場株、米株の目標株価をそろって引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング引き下げにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、マネタイズ(収益事業化)の非効率性、ホストとユーザーのエンゲージメントやコンテンツ供給およびクオリティーに関するリスク、ゲーム・ライブ配信・広告・データ収集などに関する規制強化の可能性などを挙げている。