世界的な原発「復興」の恩恵銘柄、ウラン市況の強気トレンドは当面持続か

現地コード 銘柄名
01164

中広核鉱業

(CGNマイニング)

株価 情報種類

0.90HKD
(2/14現在)

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 ロシアによるウクライナ侵攻以来、世界各国が原子力発電所の役割を見直し始めたことで、ウランのターム契約価格は2022年に約22%値上がりした。ターム価格の上昇はこれで5年連続。また、核燃料専門の米調査会社UxCによれば、2022年の新たなターム契約量は1億ポンド超(1ポンド=約0.454kg)と、2012年以来10年ぶりの水準を記録し、ここ3年間で初めてスポット契約量を上回ったという。BOCIはウランの強気相場はまだ初期段階にあるとみて、中国広核電集団傘下のウラン商社、中広核鉱業への恩恵を見込む。また、同社株が年内に「ストックコネクト」(香港・本土間の株式相互取引)に組み込まれ、本土からの投資対象となる可能性を指摘。これにより、香港市場での同社株の流動性が向上するとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 ウランのターム契約量がスポット契約量を上回るという現象は、より高額を支払ってでも長期供給を確保しようとする電力会社の姿勢を示唆しており、中広核鉱業にとっては追い風。2023年2月には、世界最大のウラン生産企業であるカナダのカメコ(Cameco)がウクライナの国営原発管理会社エネルゴアトムとの間で、2035年までに4,000万-6,700万ポンドのウランを供給する契約を交わしたが、これは単一のウラン供給契約としては史上最大規模。カメコは有利なターム契約価格の締結を受け、マッカーサーリバー鉱山とシガーレイク鉱山を増強する計画であり、2023-24年の生産目標を引き上げている。

 一般に、生産量の増加は価格の下落リスクにつながるが、BOCIによると、カメコのような規律あるウラン生産者は適切な買い手を確保した場合にのみ増産に動くという点で、その他商品のケースとは異なる。従って、カメコの増産はウラン業界にとっての朗報。他の電力会社もこぞって長期契約の確保を急ぎ、ターム契約をさらに押し上げる可能性があるとしている。

 中広核鉱業の操業は目標通りのペースとなっている。1月の発表によれば、2022年にはカザフスタンの投資先事業体において、フル稼働ベースで2,598tU(トンウラン)を生産。年間目標の99.4%をクリアした。BOCIは2023年も生産目標を達成するとみる。

 一方、同社は直近のレビューで、「ストックコネクト」の組み入れ基準のボーダーラインに位置していた。仮に組み入れが実現すれば、本土からの投資効果で、流動性の向上が期待できる。

 BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。世界の「原発ルネッサンス(復興)」における主要恩恵銘柄であると評価。自社のかなり控えめなウラン価格想定値に基づくと、同社の現在株価は2023年予想PER(株価収益率)で10倍の水準にあるとしている。