3月の株主優待銘柄
「優待祭り」といわれるほど優待株が多い3月。2023年は3月29日(水)が権利付き最終日、30日(木)が権利落ち日。翌日の3月31日(金)が権利確定日という、土日を挟まない最短スケジュールになります。3月29日(水)までに優待株を取得し、翌30日(木)まで保有すれば、月末の31日(金)に株主名簿に名前が記載され、優待の権利を獲得できます。
3月の優待株は778銘柄※と数で他の月を圧倒。株主優待制度を廃止する企業も多い中、銘柄数も2022年と変わりありません。
※楽天証券 株主優待検索より
優待内容も豊富で多岐にわたるのが3月優待の特徴です。
楽天証券の株主優待検索なら、「飲食券・飲食割引券」「食料・飲食品」「買物券」「金券」「旅行・航空券・乗車券」など優待内容別の検索も可能。
自分が欲しい優待内容で検索をかけて、お目当ての優待株を探しましょう。
人気が高い飲食系優待で、3月末・9月末の年2回贈呈のものには、
- ステーキ店、回転すしのアトム(100株で各2,000円分の優待ポイント)
- 「丸亀製麺」のトリドールホールディングス(100株で各3,000円分の優待食事券)
- 回転すしのカッパ・クリエイト(100株で各3,000円分の優待ポイント)
- 「スシロー」のFOOD&LIFE COMPANIES(100株で各1,100円分の優待割引券)
- 牛丼「すき家」のゼンショーホールディングス(100株で各1,000円分の食事券)
- 居酒屋「北海道」「甘太郎」などのコロワイド(500株以上で各1万円分の優待ポイント)
などがあります。
アトム、カッパ・クリエイト、コロワイドは系列会社のため、各優待ポイントを他の2社の店舗でも利用できます。
そんな3月優待株の人気第1位は、全優待株ランキングでもいまだ人気No.1のリース会社・オリックス。
3月末に100株以上保有で一律に、豪華なカタログギフトから選べる「ふるさと優待」が贈呈されます。
2022年の実績では、140点の商品の中から1点選べ、優待品の品ぞろえは北海道の「無塩せきコンビーフ95g×6缶」から沖縄の「〈石川酒造場〉泡盛古酒セット2本」まで多種多彩。オリックス・バファローズの野球観戦利用券5,000円分も選択できます。3年以上の継続保有ではさらに優待品がグレードアップします。
また、オリックスレンタカーの基本料金30%割引などの特典がある株主カードも贈られます。
残念ながら、オリックスの優待は、機関投資家も含めた株主全員に公平な利益還元を行うためという理由で、来年2024年3月末をもって廃止になります。
オリックスの優待を取得できるのは、2023年、2024年のあと2回。ふるさと優待の豪華さを味わってみたい人は取得を目指しましょう。
第2位は航空会社のANAホールディングス。3月・9月末に100株保有で、国内全路線の片道1区間が通常料金のおよそ半額になる「株主優待番号案内書」が各1枚もらえます。
例えば、2023年2月4日(土)の東京(羽田)と沖縄・石垣島を結ぶ航空券の場合、フレックス料金が片道6万7,070円に対して株主優待割引料金は3万3,720円と3万円以上もお得に。マイルも区間基本マイルの75%分を貯めることができます。
航空運賃のほかに、提携ホテル10%以上割引、空港内売店の買物10%割引などの特典もあります。
新型コロナウイルスによる移動制限が解除され、かなり自由に国内旅行できるようになったことで、同社の国内線割引優待はニーズが高まり、権利落ち後に株価が大きく下落する恐れもあります。
優待取得目的で購入する場合は、株価が権利付き最終日に向けて上昇する、かなり前から購入しておくなど、株の買い方に注意を払いましょう。
第3位は家電量販店のヤマダホールディングス。100株保有で3月末は500円分、9月末には1,000円分の買物優待券が贈呈されます。
第4位は航空会社の日本航空。100株保有の場合、3月末に国内線50%割引の優待割引券1枚がもらえます。第2位のANAホールディングスに比べると、100~400株保有までは、年間でもらえる割引券の枚数が半分になります。ただ、JALしか就航していない国内路線もあるので、そういった路線を利用する人にはお得です。
100株保有では3月末株主に対して、JALパックツアーなどが2~7%割引になる旅行商品割引券も海外・国内旅行各2枚ずつ贈られます。
第5位は配当利回りが3%台の高配当優良株としても知られる携帯キヤリアのKDDI。同社が運営する「au PAYマーケット 商品カタログギフト」から全国グルメ品などを1点選べます。100株では3,000円相当、5年以上長期保有すると5,000円相当に優待品がグレードアップします。
第6位は海運会社の商船三井。3月・9月末に100株以上保有で一律に、同社が運営するクルーズ客船「にっぽん丸」の旅行代金が10%割引(30日以上のクルーズでは3%割引)となる優待券2枚が贈呈されます。
2022年からは9月末株主に対して、茨城大洗・北海道苫小牧間などを結ぶフェリー「さんふらわあ」の運賃が片道5,000円割引になる共通クーポン券優待も始まりました。
同社の人気が高くなったのは、優待内容というよりも、業績好調による株価の高騰や、実に利回り12%近くに達する高配当によるものといえるでしょう。
第7位も同じく海運会社の日本郵船。3月末に100株保有で、同社の「飛鳥クルーズ」の料金が10%割引になる優待割引券3枚が贈られます。
第8位には、通信会社最大手の日本電信電話が入りました。100株以上を2年以上保有で一律1,500円分、5年以上保有で3,000円分のdポイントがもらえます。
dポイントの贈呈は毎年ではなく、保有から2年以降と5年以降の2回だけという変則的な優待です。
まだまだ魅力的な3月優待の注目株を紹介
3月優待は数が多いだけあって、優待内容が魅力的な優待株がまだまだ多数あるので、紹介しましょう。
製紙会社大手の日本製紙の優待(3月末に100株以上保有で一律、ティッシュやトイレットペーパーなど計7点がセットになった家庭用品詰め合わせセット贈呈)は、物価高騰の中、生活費節約に役立ちます。100株10万円前後で取得できる点も魅力です。
JR系の運賃割引優待の人気も高くなっています。
九州旅客鉄道では3月末に100株保有で片道運賃5割引の鉄道株主優待券1枚などがもらえます。
東日本旅客鉄道では3月末100株保有で片道運賃4割引の割引券1枚の他、駅構内などにあるコーヒー店の100円割引券やそば店の無料トッピング券が贈呈されます。
自分がよく利用するJR各社の優待内容を調べてみましょう。
オリエンタルランドの優待(100株保有で3月末に東京ディズニーランド、ディズニーシーのどちらかで利用可能な1デーパスポート1枚)は人気の高い優待ですが、株価上昇で100株購入には210万円前後の高額資金が必要になります。
2023年4月以降は株式を5分割する予定ですが、優待取得の条件が500株保有に引き上げられます。
ただ、100株保有(2023年1月20日現在の株価から推計して約40万円前後)でも3年以上長期保有すると年1枚、長期保有株主向け1デーパスポートがもらえるようになります。配布時期は2026年12月以降になりますが、来期以降購入して気長に優待取得を待つのもいいかもしれません。
味の素(100株を半年以上継続保有した3月株主に「ほんだし」などグループ製品1,500円相当)や雪国まいたけ(100株を半年以上継続保有した3月株主に自社食品3,000円相当)など、食品メーカーの自社優待は家計の強い味方になりそうです。
まずは楽天証券の株主優待検索で、優待確定月欄の「3月」にチェックを入れて、どんな優待株があるのか、検索してみましょう。きっと見ているだけで楽しくなるはずです。