ファーウェイ「HarmonyOS」がゲームチェンジャーに、先行き見通し楽観

現地コード 銘柄名
00354

中軟国際

(チャイナソフト・インターナショナル)

株価 情報種類

7.03HKD
(1/13現在)

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 BOCIは中国の有力ハイテク企業、ファーウェイ(華為技術)が開発した中国の国産OS、「HarmonyOS(ハーモニーOS)」が、政府機関や企業のIoT(モノのインターネット)プロジェクトに急速に浸透している現状を指摘。政府・企業向けにITコンサルティングやITソリューションサービスを提供する中軟国際にとっては、ファーウェイとの緊密なビジネス関係が追い風となる見通しを示した。2022年12月期の業績悪化を見込む半面、中国政府の「信創」(国産技術を優先させる政府の調達システム)の運用加速やHarmonyOSに関する楽観見通しを理由に、中軟国際は再評価に値すると指摘。2022-23年の予想EPS(1株当たり利益)を9%、13%減額修正しながらも、2023年予想PER(株価収益率)19倍をベースに目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続している。

 BOCIは「HarmonyOS」の強みとして異種接続性やハードウエアデバイスの仮想化を挙げ、中国の政府機関・企業のIoT、スマートシティプロジェクトにおける同OSの先行きを楽観。その上で、ファーウェイと緊密な関係にあり、かつ先行組である中軟国際にこの先、恩恵が及ぶとの見通しを示した。国内企業向けIoTプロジェクトの主要ODM(相手先ブランドによる設計製造)、あるいは主要システムインテグレーターとなる可能性が高いとしている。中軟国際は2022年にハードウエアメーカー160社と提携し、20件超のプロジェクトを立ち上げ、天津市や江蘇省無錫市、広東省中山市などで、自ら開発に参加する「KaihongOS」に基づく七つの認証製品を発売した。

「HarmonyOS」の究極のドライバーとなるのは、世界的な地政学リスクの高まりやサプライチェーンの混乱、地域的な分断傾向を受けた中国の内製化イニシアチブ。中国政府は2023年に、国産技術優先の「信創」に絡み、関連セクターに有利となる施策に動く可能性が高く、市場では恩恵銘柄が焦点となる見通しという。BOCIはファーウェイおよび「HarmonyOS」との関係を一段と強めている中軟国際への恩恵を予想。補助金や低金利環境、政府のデジタル化戦略、さらに「信創」が、同社株の2023年の支援材料となるとみている。

 中軟国際の2022年下期決算は厳しい内容になる見通しだが、2023年には回復に向かう見込み。BOCIはゼロコロナ政策の終了やHarmonyOSの普及、ネット大手に対する締め付け政策の終了、ファーウェイのITアウトソーシング収入の回復見通しなどから、2023年には同社にとってのネガティブ要因が後退するとみる。2022年下期の減速を織り込み、2022-23年の予想EPSを減額修正しながらも、中国の経済活動の再開をプラスと捉え、同社株価に対する強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては、テクノロジーの国産化が遅れる可能性や、ファーウェイへの依存度の高さ、IT技術者の賃金引き上げによるコスト増などの可能性を挙げている。