ふるさと納税についてのコラムを読んでもちょっとわからないことがあると放置してしまって、結局今年もやらなかったという方も多いようです。今回は皆さんが困っている「ふるさと納税のわからない!」に一つずつお答えしたいと思います。

Q1:ふるさと納税には限度額があると聞きました。調べ方は?

 ふるさと納税を行うには、ふるさと納税ポータルサイトを利用すると便利です。ふるさと納税ポータルサイトには上限額をシミュレーションするページがあるので、そちらを活用しましょう。

 シミュレーションに必要な情報は源泉徴収票に全部書いてあります。今年の源泉徴収票がない方は、昨年の源泉徴収票でシミュレーションをしてみましょう。昨年と収入が変わらない場合は、シミュレーションした金額で寄付をするとよいでしょう。昨年より収入が低い場合は上限額が減り、高い場合は上限額が増えることになります。

 上限額は収入と扶養人数やその他の控除によって変わります。該当する控除をきちんと入力しないと正しく計算できません。

 社会保険料控除、生命保険料控除、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を行っている方は小規模企業共済等掛金控除、医療費がかかった方は医療費控除など控除を入れ忘れないように入力しましょう。シミュレーションで控除を入れ忘れると上限額が多く見積もられてしまいます。

 また、大まかに計算するシミュレーションでは、子どもの人数をカウントする際、15歳以下の子どもを含めてはいけません。15歳以下の子どもに対する控除はないので、カウントしてしまうと控除額が増え、ふるさと納税の上限額が少なく見積もられてしまいます。

 シミュレーションするサイトによって限度額が違う場合があります。控除を詳細に入力して計算したものが正確なので、詳細シミュレーションをするようにしましょう。

Q2:限度額を超えてしまった場合は、どうすれば?

 限度額を超えて寄付してしまっても、キャンセルすることはできません。超えた分は純粋に寄付をしたということになります。

 限度額を超えた場合には、ワンストップ特例制度を利用するよりも確定申告をした方が多く控除される場合がありますので、心配な方は確定申告をしましょう。

 ワンストップ特例制度の申請書を提出していた場合でも、確定申告をすれば確定申告の方が採用される形になり、ワンストップ特例制度の申請は全て無効となります。全ての寄付について漏れのないように確定申告をしましょう。

Q3:ふるさと納税の手続きがわからない

 ふるさと納税はふるさと納税ポータルサイトから買い物感覚で行うことができます。ネットショッピングのサイトとほぼ同じようなつくりになっており、買い物をするか、ふるさと納税をするかという違いなだけです。

 買い物のようにお礼の品を選び、支払いをすると、支払い金額が寄付金額となります。その後ワンストップ特例制度の申請書の送付または確定申告をすることで控除を受けることができます。

STEP1:お礼の品を選び支払い(寄付)をする
STEP2:控除を受ける手続きをする
(ワンストップ特例制度の申請書の送付または確定申告)

 この2STEPで完成です。

Q4:大学生で、バイトをしています。ふるさと納税はできる?

 大学生でアルバイトをしている方は扶養の範囲内でのアルバイトかと思います。その場合、ふるさと納税を活用してお礼の品をもらって寄付をすること自体は可能です。ただし、そもそも税金を払っていないので、寄付した額の税金が返ってくるという寄付金控除を受けることができません。これは扶養の範囲でパートをしている主婦の方も同じです。

Q5:不安なので1万円だけふるさと納税をした。いいですよね?

「限度額を超えてしまったらいけないので、1万円だけふるさと納税してみました」という方もよくいます。お礼の品は寄付金額の3割までと決まっていますので、約3,000円相当の商品がもらえることになるのですが、2,000円は必ず自己負担となりますので、自己負担2,000円で3,000円のものをいただくだけだとちょっともったいないかなと思います。

 時々勘違いされている方がいるのですが、寄付のたびに2,000円が自己負担になるのではなくて、1年間トータルのふるさと納税に対して自己負担2,000円となります。上限額までなら5万円寄付しても自己負担2,000円、1万円寄付しても自己負担2,000円ですので上限額いっぱいまでふるさと納税をした方がお得ということになります。

Q6:主婦です。間違えて自分の名前で寄付をしてしまったが、取り消しはできる?

 残念ながら寄付した後のキャンセルはできません。商品を選んだけれども入金をしていないという場合にはキャンセルができる自治体もありますが、クレジットカードや振込などで寄付まで完了してしまった場合はキャンセルできませんのでご注意ください。

Q7:食べ物は特にいらないのですが…?

 お礼の品の中には食べ物だけでなく、日用品や家電、旅行券などもあります。またお礼の品が要らないという場合には寄付金控除のみ受けることができますので、災害のために寄付を募っている自治体、町の活性化のために寄付を募っている自治体などに純粋に寄付をすることもできます。

 また、お礼の品のお届け先を他の住所にすることもできます。地域の特産品を贈り物にすると喜ばれるのでおすすめです。

Q8:手続きがちゃんとできているか心配。確認する方法は?

 ふるさと納税が完了すると寄付金受領証明書が発行されます。こちらが発行されていれば寄付がきちんと受領されていることになります。寄付金控除の手続きがきちんと行われているかを確認する方法は、次の通り。

■ワンストップ特例制度を利用した場合

 全て住民税からの控除になりますので、6月ごろに届く住民税の通知書で確認することができます。寄付金控除の金額がふるさと納税をした金額-2,000円となっていれば、寄付金控除の手続きがきちんと行われていたということになります。

■確定申告を行った場合

 住民税と所得税の両方から控除されることになりますので、住民税の通知書と確定申告の控除の合計を見て確認しましょう。

Q9:やってみようかな…今からでも間に合う?

 オンラインで寄付をする場合、サイトによっては12月31日の23:59まで可能です。ただし、データの送受信に時間がかかり年をまたいでしまうと翌年の寄付になってしまいますので、あまりにもぎりぎりはおすすめできません。

 また、ワンストップ特例制度を利用したい場合は翌年の1月10日必着で書類を送る必要があります。申請用紙は自治体が寄付金受領証明書と一緒に自宅に送ってくれることが多いですが、待てない場合は自分で印刷することも可能です。1月10日必着で送ることが間に合わなかった場合は、翌年確定申告をしましょう。

Q10:橋本さんのおすすめ商品は?

 我が家では、普段は高くて手の出ないウナギ、カニ、高級焼き肉などを頼むことが多いです。家電を買い替えたい時には家電を頼むこともあります。過去に頼んだことのある家電は炊飯器、掃除機、トースター、パソコンです。あと、毎年必ず頼むのはビールとみかん。また、実家の両親を配達先にしてりんごを頼むのが毎年の恒例です。

 最近では現地で使える電子マネーも登場しています。寄付先に旅行に行って利用するのもいいですね。

 日用品のトイレットペーパーやオムツなどを返戻品にしているところもあります。大量に届くので置き場所がある場合は家計おたすけ返礼品としておすすめです。