ゼロコロナ緩和の恩恵銘柄、歯科医の営業再開で矯正需要急回復へ

現地コード 銘柄名
06699

時代天使科技

(エンジェルアライン・テクノロジー)

株価 情報種類

96.65HKD
(12/1現在)

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 中国のゼロコロナ政策の緩和による主要恩恵銘柄の一つとして、BOCIは時代天使科技を挙げている。マウスピースタイプの歯列矯正ソリューションを手掛ける同社は美容医療分野のリーダーであり、歯科医院の営業再開がこの先、顧客(患者)数の急回復につながるとの見方。広東省広州市、深セン市がコロナ対策の緩和を発表する中、BOCIは近く、全国的に歯科医が通常営業に戻る可能性があるとした。現時点では、コロナ対策の緩和は全国規模ではないものの、広州、深センという二つの大都市の動きが、需要の回復期待と美容医療大手の再評価を後押しすると予想。同社の目標株価を据え置き、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げている。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けたロックダウンや行動制限で、歯列矯正市場はデンタルクリニックの営業から関連商品の製造に至るまで、広範に打撃を受けた。政策面ではほかに、政府当局主導の医薬品・医療機器の集中調達制度も同社株価への打撃。ただ、BOCIはこれまでの株価の調整で、新型コロナ関連のマイナス材料は全て織り込まれたとの見方。どのような内容であれ、ゼロコロナ政策の緩和は各業界を代表する有力銘柄の再評価につながるとしている。

 上海市のロックダウンが6月1日付で解除された後の夏場には、歯列矯正の顧客数が急回復。8月の施術事例は月別で過去最高を記録した。その後、10-11月には感染拡大に伴い再び規制が強まり、多くの都市で歯科医の営業が制限されたが、最近のゼロコロナ政策の緩和により、近く通常営業に戻る可能性が高まっている。

 同社の場合、製品別では特に、子供向けの「Kid」シリーズと低価格版「COMFOS」が好調で、売り上げ構成比がともに上昇傾向にある。景気減速下で一部業種の所得が低下する中、顧客のニーズにマッチしているのがこの二つのシリーズ。BOCIはこの先、旺盛な需要が続く見通しを示しながらも、より多くの顧客が低価格の「COMFOS」を選択するとみる。また、「Kid」も急成長の勢い。同社は2022年の施術数について19万5,000件(前年比6.4%増)との見通しを据え置いているが、仮にゼロコロナ政策が全国規模で緩和されれば、続く2023年には急増する可能性が高い。

 BOCIは大幅調整後の現在株価が2023年予想PER(株価収益率)51.5倍と、魅力的な水準にあるとの見方。収益見通しを現行水準に据え置きながらも、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げた。同社をゼロコロナ緩和テーマに基づく推奨銘柄の一つとしている。

 一方、レーティング面の潜在的なリスク要因としては、市場競争の激化や医療機器の集中調達制度の影響として、利幅縮小圧力が高まる可能性を挙げている。