インフラ投資は中国経済のけん引役、2023年も成長持続へ

現地コード 銘柄名
00390

中国中鉄

(チャイナ・レールウェイ)

株価 情報種類

3.65HKD
(11/10現在)

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 BOCIは上場企業の2022年7-9月期決算をレビューした結果、インフラ建設セクターは依然として中国経済のけん引役であり、堅実な成長を遂げる可能性が高いと指摘している。現時点では、景気循環型の機械産業の需要はまだ浮上しておらず、2023年まで周期性需要の縮小傾向が続く見込み。ただ、国内経済のけん引役としてのインフラ投資は2022年に少なくとも前年比8%増加した後、2023年もプラス成長を維持する可能性が高い。中国2大ゼネコンの1社、中国中鉄の新規受注は2022年1-9月に前年同期比35.2%増加しており、BOCIは12月通期に前年比で19%増えると予想。続く2023年に関しても15%の伸びを見込み、インフラセクターの中で同社を選好。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中国企業の7-9月期決算を見ると、周期性の機械需要に回復傾向は見られない。不動産開発投資の低迷もあり、ファンダメンタルズは依然として下降トレンド。機械の販売および新規受注の落ち込みは、2023年上期まで続く可能性がある。こうした状況下で、国内経済の安定成長維持に向けたインフラ投資の拡大は必須。2022年、2023年のインフラ固定資産投資について、BOCIは前年比8%増、同6-8%増を予想している。

 同社株価は主に粗利益率の悪化を受け、7-9月に値下がりした。ただ、新規受注の好調を背景に、売上高、純利益ともに拡大しており、今後は建材価格の軟化により、粗利益率も回復する見込み。売上高の伸びと利益率の改善が2023年の業績をけん引する可能性が高い。

 新規受注は2022年、2023年に前年比19%増、同15%増と推移する見込み。中国政府の政策方針がインフラ建設プロジェクトの前倒しの履行を後押しすることで、2023年も高成長を維持する見通しという。

 BOCIは決算発表後の調整局面が同社株への投資機会につながるとの見方。中国のインフラ投資が2023年も堅調に推移すると予想した上で、インフラセクターの中で同社を選好。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 一方、レーティング面のリスク要因としては、地方政府の財政収入が悪化する可能性を指摘。さらに不動産建設事業が資金回収面での問題に直面する可能性を挙げている。