電気代の値上がりがとまりません。これから本格的な冬に向けて、エアコンなど電気を使う機会も増えそうです。

 電気代の高騰は家計の電気代だけでなく、その他の物やサービスの値上げにもつながり、ますます私たちの暮らしを直撃していきます。

 この値上げは今後も続いていきそうです。そもそも電気代はなぜ値上がりしているのでしょうか?

 値上げの理由と今やっておくべき電気代節約術について解説します。

電気代はなぜ上がる!?いつまで続くこの値上げ

 電気料金は
基本料金 + 電力量料金 + 燃料費調整額 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金
によって構成されています。

 基本料金は契約電力や契約容量に応じて決められた固定的な基本料金です。

 電力量料金は使用電力量に応じて、電力量料金単価×使用電力量としてかかる料金です。

 電気料金の値上げをする場合は経済産業大臣の認可が必要となり、審査においては電気事業業者の経営効率化度合いなどを相対評価し、その結果に基づき判断されます。

 ただし、燃料費調整額については、燃料費調整制度によって、燃料価格の変動に応じて毎月自動的に電気料金を調整する仕組みとなっています。だいたい毎月月末ごろ2カ月先の燃料調整単価について発表されます。

 燃料調整費単価×使用電力量で電気代がかかります。

 電気代の値上げは燃料価格の高騰によって、燃料費調整額が上がっていることが一つの大きな要因です。

 燃料価格の高騰の原因は主に三つあります。

  • ロシアの輸出入制限による燃料価格の高騰
  • 脱炭素社会の推進による燃料価格の高騰
  • 円安による燃料価格の高騰

 ロシアとウクライナの情勢によって、燃料輸出額上位を占めるロシアの輸出入が制限され、世界的に燃料の供給が減ってしまいました。

 ここにコロナ禍からの経済回復による燃料需要の増加と脱炭素社会の推進による天然ガスの需要の高まりもあり、需要と供給のバランスが崩れ、燃料価格が高騰しているという状況です。

 このような世界的な燃料価格の高騰に加え、円安が進んでいることにより、燃料を輸入に頼っている日本ではさらに価格が高騰してしまうという事態になっています。

 さいごに電気代に含まれる再生可能エネルギー発電促進賦課金ですが、この再エネ賦課金ついてはあまり認知されていないようです。

 実は2012年7月1日からスタートした「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」によって、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を電気事業者が買い取ることが義務付けられ、さらに買い取りに要した費用は原則として使用電力に比例した再生可能エネルギー発電促進賦課金によって電気料金の一部として回収することになっています。

 この買取価格は毎年度見直しが行われ、経済産業大臣が決定します。

 この再エネ賦課金が本年度も値上げされたため、さらに電気代が上がることになってしまいました。

今やっておくべき電気代節約術!

 電気代値上げの理由と、世界的な需給バランスの改善の見通しや脱炭素社会を推進する世界の流れを考えると、今後も値上げは続く可能性が高いのではないでしょうか。

 節電術といってもなかなか実践できないというお悩みもよく聞きます。今回は誰でも簡単にできる節約術を厳選してご紹介します。

家電にまつわる「当たり前」を変えてみよう

 経済産業省資源エネルギー庁によると、一般家庭における家電の電気使用量ランキングは

  • 1位 冷蔵庫
  • 2位 照明器具
  • 3位 テレビ
  • 4位 エアコン

となっています。

 エアコン以外の家電は年間通して利用しているいわば電力固定費です。日常の使い方、前提条件、当たり前を変えることで節電することができます。

冷蔵庫…壁から離して設置する、上部に物を置かない

 冷蔵庫の冷却効率をあげるためには放熱効率をあげなければいけません。

 冷蔵庫の開け閉め回数を減らす、時間を短くする、詰め込みすぎないなども効果的ですが、癖を変えることは大変なので、まずは壁から離して設置し、上に置いてあるものがあれば置かないようにしてみましょう。

照明器具…LEDに変える

 使っていない電気を消すことも大切ですが、よく使う場所の照明はLEDに変えておきましょう。使い方が変わらなくても照明を変えるだけで節電効果が期待できます。

テレビ…明るさの設定を変える

 照明同様、見ていないときには消すことは大切ですが、つけていても節電できるように最初から明るさの設定を暗めに変えておきましょう。ほこりがついていると暗くなってしまうので、掃除もしておきましょう。

エアコン…フィルターを掃除する、カーテンを閉める

 電気代節約のために暑さ寒さを我慢してエアコンを使わないのは大変です。

 使うならエアコンの冷暖房効率を高めるために、エアコンを使う季節になったらフィルターの掃除をしてから使うようにしましょう。

 また、夏では室内の温度をあげないために、冬には冷気を入れないようにするために、カーテンを閉めるようにしましょう。

 いかがでしたか?家電の簡単節約術は実践できそうでしょうか? 他にも方法はありますが、誰でもできる、これだけはやっておいてほしいことを厳選してお話ししました。

 変えるだけで電気代を節約できる電力会社の変更もおすすめですので、過去コラム(まだ変えてなかったの?今からでもお得がスゴイ!電力会社の乗り換え方)をぜひご確認ください!

 電気の値上がりはこれからも続きそうです。しっかり家計防衛をしていきましょう。