7-9月の業務統計が回復基調、2023年に急成長見通し
現地コード | 銘柄名 |
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02588 |
中銀航空租賃 (ビーオーシー・アビエーション) |
株価 | 情報種類 |
53.45HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国銀行(03988)傘下の航空機リース大手である中銀航空租賃は、2022年7-9月期にリース機12機を引き渡したと発表した。1-3月に7機、4-6月に13機と推移し、1-9月では計32機。BOCIはこの数字をほぼ予想通りとし、世界航空市況の回復による同社への恩恵を指摘している。国際航空運送協会(IATA)によれば、世界の航空旅客数は主に北米、欧州、中東がけん引する形で、1-8月に力強い回復を見せたという。同社の2022年上期決算は3億1,300万米ドルの赤字だったが、BOCIは下期に前年同期比7%の増益を予想。航空市況の回復に加え、機材関連の減損損失や投資損失の大幅な縮小見通しをその理由に挙げた。また、軍事進攻に伴うロシア関連の減損が一過性であることや世界的な業況回復の持続を背景に、続く2023年には力強い利益成長を遂げるとの見方。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
2022年7-9月期に締結したリース契約は21件。1-3月は22件、4-6月には24件だった。保有機材の1-9月の平均機体年齢は4.3年で、平均リース残存期間は8.2年。上期にはそれぞれ4.1年、8.4年だった。
また、取引先の航空会社は7-9月に38カ国・地域の81社(保有・運用機体を含む)。4-6月の36カ国・地域、79社から増加した。
同社にとって、世界航空市況の回復は大きな追い風。IATAによれば、世界のRPK(有償旅客キロ:旅客数×輸送距離で算出する旅客輸送実績を示す指標)は8月に、コロナ前の19年実績の73.7%まで持ち直した(1月時点では50.4%)。内訳は国内線が19年実績の85.4%で、国際線が67.4%相当。特に中東-北米、欧州-北米路線と米国の国内線では、季節調整済みのRPKがすでにコロナ前のレベルを回復したという。こうした状況下で、IATAは世界航空業界の2022年の純損失見通しを120億米ドルから97億米ドルに修正した(2020年は純損失1,377億米ドル)。BOCIはこの先、渡航規制の緩和に動く国・地域がさらに増えるとみて、航空市況の回復が2022年10-12月から2023年まで続くとみている。
BOCIは過去の経験を踏まえ、「航空会社は業況が底を打つと、機体の買い替えサイクルを加速させる傾向にある」と指摘。世界的な機体の供給過剰の緩和や同社の手堅いビジネスモデルを理由に、2023年には利益が急回復する見通しを示した。2022年予想PBR(株価純資産倍率)1.3倍をベースとした目標株価を維持。株価の先行きに対する強気見通しを継続した。
一方、レーティング引き下げにつながる潜在リスク要因としては、新型コロナウイルスの変異で、抗体をすり抜けやすく、より重篤化しやすい変異株が新たに生まれる可能性を挙げている。