リード
「なんとなく将来が不安」と思う理由の一つが、お金のこと。Financial-Well-being(ファイナンシャル・ウェルビーイング)、お金そのものを持っていない、お金がないことを解決するための知識や手段がないと、大きなストレスに。お金持ちでなくてもいいけど、自分がやりたいことを自由に選べたほうが、いい。
お金があると幸せ?でも、人生の選択肢は多いほうがいい
前回、「Well-being」とは、どんなものかについてお話ししました。Well-beingとは、「満たされていて、幸せな状態であること」。そして、その幸せの決定要因は五つにわけることができそうという話でした。
その中で今回は、「お金」のエリアに絞って考えてみましょう。Financial-Well-being(ファイナンシャル・ウェルビーイング)です。この現代を生きていく中で、お金はなくてはならないもの。かといって、「お金持ちなら、幸せ?」と聞かれると多くの人は、「わからない」「NO」と答えるかもしれません。
ただ、みんなに共通のポイントになるのは、「いま必要なお金、将来必要なお金がちゃんとある、そして自分がやりたいこと、楽しいことを自由に選べるか?」です。
まずは、「よくない状態」をイメージしてみましょう。欲しいものが、やりたいことがまったくできないほどに、お金そのものがなかったり、お金を得る手段がなかったりする状態です。日々の食費や光熱費に困る、必要最低限の衣食住がまかなえない。友達とご飯を食べに行く余裕がない、子どもの習い事をさせてあげられない、好きな場所に旅行に行けない――。
お金がないこと、わからないことがストレス
「よくないの基準」は人それぞれですが、生きるために必要なレベルから、生きがいや楽しさのプラスアルファの部分も含めて、満たされていないと健康面や社会的な関係性にも影響が出ますし、なにより精神的なストレスになってしまいます。
さらに、単にお金がないというだけでなく、お金を持つ・つくる手立てがない、わからないなど、解決する手段がないこともストレスに。
今度は、「よい状態」を考えてみます。衣食住含めて自分の望むレベルの生活ができる。これは、今だけでなく、老後含めた将来にわたって、大丈夫!という状態。服が好きな人は欲しい服が買える、おいしいものが好きな人は食べたいものが食べられる、家族や大切な人がしたいことをかなえてあげられる。
自分のしたいこと、欲しいものを、そのときに好きなように「選べる自由」を持てることが、よい状態です。キリがないと言えば、そうですが、ここは自分が不満がなく、納得できるということが大事かもしれません。
次やることがわかれば、意外と不安じゃない?
当然だけど、「ないものはない」。いきなり1億円欲しい!と言ってどうにかなるわけではないし、それは自分でもわかっていること。大切なのは、必要なお金をつくるための手立てやステップ、ストーリーを持てているか?です。
「不安」というのは、どうなってしまうかわからない、自分で解決する方法がわからないから、起きるもの。多くの人が将来に漠然と不安を持っているのは、まさにこの解決の手立てがよくわからないからです。
その裏返しで、いまは全部ほしいものが手に入る状態ではないけど、その筋道がわかっていて、一歩一歩近づいていれば、むやみに不安になることもありません。この「解決の筋道」をつくるために、必要なものがいくつかあります。
- 経済や金融、カードや節約、マネープランなど、お金にまつわる知識
- 自分や家族全体の家計の管理力
- 将来に向けたライフプランづくり
- 必要なお金を稼ぐ方法、貯める方法、増やす方法、不要なものを削る方法
これだけ見ると、とても大変なことのように思います。なにせこれまで誰も教えてくれなかったことだからです。ただ、選ばれた人しか理解できない、実行できないものか?といえば、そんなことはありません。全部自分でする必要があるかといえば、それも違います。
ただ、確かなのは、自分の理想の人生は、自分にしか決められない、そのために必要なお金も自分次第、ということ。そこで、次は「人生のお金の設計図」を作っていくために必要なことを、いっしょに考えてみたいと思います。