2023年度上期に売り上げ回復見通し、コロナ対策緩和で下期以降も成長持続へ

現地コード 銘柄名
06110

滔搏国際控股

(トップスポーツ・インターナショナル)

株価 情報種類

5.99HKD
(9/26現在)

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 ナイキ、アディダスなどの各種ブランドを扱う中国のスポーツウエア販売最大手、滔搏国際控股について、BOCIは2023年度第2四半期(2022年6-8月)も売り上げの回復傾向が続いたとみている。新型コロナ対策の5月後半以降の緩和に伴い、利幅圧力の改善も進んだとの見方。続く年度下期(2022年9月-2023年2月)には前年同期実績の低さもあり、売上高、利益率の回復が続く見通しを示した。店舗構成の最適化やデジタル機能の強化、ブランドポートフォリオの拡充により、同社が今後も利益率を維持しつつ、高質の成長を遂げるとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2023年度上期(2022年3-8月)の売上高について、BOCIは前年同期比13%減の135億元を予想している。3-5月に20%台後半のマイナス成長となった後、6-8月には1桁台前半の伸びを回復したとの見方だ。7月13日の「消費企業デー」で、同社経営陣は4-5月(上海市のロックダウン期間)に前年同期比30-40%の減少率だった客足が、6月には1桁台に下げ止まったことを明らかにしており、BOCIは7-8月にはさらに状況が改善したとの見方。その理由として、コロナ関連の規制緩和や、コロナ禍と洪水に起因する7-8月の比較対象値の低さを挙げた。また、ネット通販の力強い伸びが6-8月も続き(3-5月は20-30%増)、オフラインの実店舗販売の低迷をある程度相殺したとみている。

 年度上期(2022年3-8月)の粗利益率については、BOCIは前年同期を2ポイント下回る42.5%を予想しているが、この数字は前半期(2021年9月-2022年2月の42.3%)とほぼ同水準。前年同期比で悪化した要因としては、在庫増に伴う値引き率の拡大やコロナ感染が再燃する中での製品構成の悪化などを挙げている。ただ、BOCIは前年実績の低さもあり、粗利益率の低下圧力は6-8月には和らいだとの見方だ。また、年度上期の販管費の対売上高比率については、4-5月のコロナ感染拡大による営業レバレッジ面の影響を広告宣伝費の縮小が相殺した結果、1ポイント上昇したと予想し、営業利益率は前年同期比3.4ポイント減の9.8%にとどまったとみているが、これも粗利益率の安定化や店舗構成の最適化を受け、下期に改善するとの見方。上期の純利益に関しては、前年同期比38%減の8億9,200万元を見込んでいる(純利益マージンは2.6ポイント低下)。

 BOCIは2023-25年度の利益見通しと目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。目標株価は2023年度予想PER(株価収益率)で18倍相当。レーティング面の潜在リスク要因としては、コロナ感染の再拡大や、メーカーの直販志向に伴う共食い現象、店舗生産性の悪化、主要株主による大型増資、政策面の緊張などの可能性を挙げている。