2022年4-6月に好決算、ICTなど新たな成長ビジネスへの投資に照準
現地コード | 銘柄名 |
---|---|
00763 |
中興通訊 (ZTEコーポレーション) |
株価 | 情報種類 |
16.46HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の大手通信機器メーカー、中興通訊の2022年4-6月期決算は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響にもかかわらず、純利益が前年同期比24%増加。営業利益率も改善するという際立った内容だった。経営陣はDICT(データ、インフォメーション、通信テクノロジー)など、「第2成長曲線」ビジネスと位置づける新製品への投資を継続する方針。同社製サーバーは通信キャリア各社の入札で国内トップ5にランクされており、インターネット大手向けのビジネス市場にも歩を進める。BOCIは2022年予想PER(株価収益率)11.3倍をベースに目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
2022年4-6月期の純利益は前年同期比23.8%増の23億4,900万元。売上高は18.9%増の319億元に達した。粗利益率は36.4%へ0.4ポイント低下したとはいえ、比較対照値の高さにもかかわらず、ほぼ横ばい。BOCIは通信キャリア向けのネットワーク製品販売の伸び(19.7%増)が粗利益率の安定推移に寄与したとみている。消費者向けビジネス、政府・企業向けビジネスの粗利益率はそれぞれ19.8%、27.2%と、いずれも安定的だった。
営業利益率は4-6月に8.7%と前年同期の8.4%から上向き、営業利益は前年同期比23%増の27億8,000万元に達した。主に販売管理費の抑制(対売上高比率が29.7%から28.2%に低下)が寄与。研究開発費の対売上高比率は前年同期並みの17.1%だった。
経営陣は特にDICTビジネス向けの研究開発投資を行う方針を改めて表明している。上期に前年同期比 40%の増収を達成し、売り上げ全体の20%を占めた「第2曲線」ビジネス(サーバー、ルーター、端末、デジタル化電源、カーエレクトロニクス、産業のデジタル化などの新製品を含む)に投資するとの判断であり、2024年には売上構成比30%への引き上げを目指す。
BOCIは5G投資のピークアウトに伴い、通信キャリア各社の支出がより抑制的になるとみて、2022-2024年の予想純利益をそれぞれ3.3%、2.0%、3.4%減額修正した。ただ、これと同時に、投資の焦点がコンピュータ化ネットワークから、「東数西算」(西部にデータセンターを配置し、東部で発生するデータ処理需要を賄うという中国の国家プロジェクト)に移行するとみる。
BOCIは2022年予想PER11.3倍をあてはめて目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた(現在株価の同予想PERは8.6倍)。2022-2024年の予想増益率が前年比14.8%、15.8%、12.8%に上る点を考慮すれば、現在株価は魅力的水準にあるとの見方。国内の力強いICT(情報通信技術)設備需要が利益成長をけん引するとの見通しを示している。