2022年上期は逆風下で底堅さ、不動産成約や土地取得で業界をリード

現地コード 銘柄名
01109

華潤置地

(チャイナ・リソーシズ・ランド)

株価 情報種類

32.05HKD
(9/1現在)

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 中国政府系の不動産デベロッパー、華潤置地の2022年6月中間期の売上高は前年同期比1.1%の微減だった。不動産市況の悪化と新型コロナ感染の拡大が響いた。粗利益率は前年同期の31.3%から26.9%に低下したものの、BOCIの通期予想を0.9ポイント上回る水準。関連会社・合弁会社の利益貢献の増加や、販管費の対売上高比率の低下、金融費用の縮小などが寄与し、コア純利益は2.6%の伸びだった。BOCIは下期の業績回復見通しから、2022年通期の予想コア純利益(前年比7.8%増)は達成可能とみて、予想EPS(1株当たり利益)を据え置いた。また、上期には物件成約状況や積極的な土地取得、財務状況、採算性などの点で、業績全体をリードしたと指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 上期の物件成約額は前年同期比20.6%減の1,210億元にとどまったものの、大半の同業銘柄を上回るパフォーマンス。7月単月の成約額は前年同月比22%増と、業界トップクラスだった。下期の分譲可能物件は4,306億元規模であり、成約率39%をクリアすれば、月次ベースでほぼ7月並みの約280億元を維持できる計算。従って、下期にはほぼ毎月のように、前年同月比プラス成長を確保する可能性が高い。

 同社は強固な財務基盤を強みに、積極的に開発用地を取得しており、上期の取得額は総額578億元(持ち分換算では469億元)。これは上期の成約額の48%に相当する(投資用不動産を含むため、上限の40%を上回る)。うち21%は公開入札以外の多様なチャネルを通じて取得したという。

 不動産投資部門では上期に、救済対象となるテナントに対して総額17億5,000万元の賃料減免措置を実施。その影響で賃料収入は前年同期比8.2%減の76億元にとどまった。ただ、この影響を除いた場合は10.5%増となる。うちショッピングモールの賃料収入は6.2%減の62億元で、賃料減免の影響を除くと14.2%増。景気減速や新型コロナの影響を受けながらも、傘下のモールの小売売上高は上期に540億元と7.0%増を記録した。コロナの影響が軽微だった1月、6月、7月の既存店売り上げは、それぞれ33%増、13%増、14%増。BOCIは通期の賃料収入が前年比でプラスを確保するとみている。

 同社の現在株価は2022年予想PBR(株価純資産倍率)で0.8倍と、BOCIが設定した1株当たり予想NAV(純資産価値)の51.10HKドルに対して35.5%のディスカウント水準にある。BOCIは強固な財務や他社を上回る物件成約状況、土地取得状況、経常収益の安定感を理由に、現在のバリュエーションは魅力的な水準にあるとの見方。対予想NAVで10%のディスカウントを適用した目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては、新型コロナ感染の再拡大による不動産市場や消費へのマイナス影響を挙げている。