2022年上期の好決算も一部コロナ禍が影響、通期利益見通しを下方修正

現地コード 銘柄名
01521

方達控股

(フロンテージ・ホールディングス)

株価 情報種類

2.58HKD
(9/1現在)

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 医薬品開発業務の受託会社(CRO)、方達控股の2022年6月中間決算は売上高が前年同期比40%増、受注残高が44.4%増という力強い内容だった(純利益は47%増)。上海市の事業拠点が4-6月期に一時休業を余儀なくされ、国内売り上げは落ち込んだが、米国での68%増収がカバーした。BOCIは新型コロナの影響を反映させる形で、2022年通期の予想売上高を4.4%減額修正する半面、受注残高の拡大を理由に2023年予想を6.4%増額修正。また、新型コロナの影響や営業経費の増大を織り込み、2022年、2023年の予想純利益を40%、36%減額修正した。経済の減速を受けた売掛債権の回収状況を懸念し、2022-2024年の減損損失見通しを引き上げた。収益見通しの修正に伴い、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対しては強気見通しを継続した。

 上期の売上高は前年同期比40%増の1億1,890万米ドルで、地域別では米国が68%増収、中国が15%減収。経営陣によれば、米国の売り上げの自律成長率は30%だった。中国の減収は3月半ばから4月末にかけ、ゼロコロナ政策下で操業を停止したため。ただ、経営陣によれば、6月以降は全面的に正常化し、全体への影響は対処可能な範囲にとどまったという。6月末時点の受注残高は前年同期比44.4%増の3億1,500万米ドルに上り、この先の持続的成長を支える見通しとなった。

 同社は米中双方で、業務処理能力を拡充する方針。米国ではバイオ分析サービスを提供する2万5,000平方フィートの新施設が2022年5月に稼働した。中国では上海市のバイオ分析&セントラルラボ(6万7,000平方フィート)が上期に稼働を開始。蘇州では臨床試験材料製造施設(8万9,000平方フィート)が10-12月期までに稼働する予定となっている。このほか、同社は米中双方に、買収した新施設を構える。

 上期には顧客基盤の多様化が進み、取引先上位5社、上位10社が売上全体に占める割合は18.4%、25.1%と、前年同期の25.0%、31.5%から低下した。経営陣によれば、臨床検査ビジネスの顧客の多くは大型多国籍企業であり、バイオテック分野の資金調達環境の悪化による影響は限定的という。

 2022年通期決算に関する経営陣のガイダンスは、売上高が前年比40%増。純利益に関しては今回、「前年比35-40%増」から「25-30%増」に下方修正した。中国国内での新型コロナの影響が背景。2023年については30%の増収と、30%超の増益見通しを据え置いている。

 BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては、新施設の立ち上げペースの鈍化や競争激化、製薬会社による研究開発費の削減、新型コロナの影響などを挙げている。