※この記事は2020年5月22日に掲載されたものです。

 斬新なビジネスモデルや「あっ」と驚く新製品、新サービスで急成長していく企業の株を買って大きくもうけたい! というのが成長株(グロース)投資の醍醐味。株価倍増も夢じゃない有望成長株にどうすれば巡り合えるのか? その極意を、トウシル執筆陣で経済アナリストの森永康平氏が解説する。

有望な成長株を見つける方法は?

 上場してまだ日が浅く、知名度も今一つで玉石混淆(ぎょくせきこんこう)といえる新興企業の中から、グーンと伸びる成長株を見つけ出すには、何に注目すればいいのだろう。

「成長株という以上、売り上げや利益が毎年大きく伸びていることが絶対条件です。企業が四半期ごとに発表する『決算短信』などをこまめに読んで、倍々ゲームとまでは言いませんが、少なくとも営業利益がここ3~4年、毎年10~20%以上、安定的に伸びているかどうかを確かめましょう。当然、売上高が利益以上に伸びていることも重要です」と言う森永氏。

 成長株の場合、「株価は割高だけど、多くの投資家が、この会社はまだまだ成長が期待できると考えているから買える」という期待感で株が買われるため、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)といった株価指標は銘柄検索する際、気にすることはないと言う。

「自社の持つ純資産を活用して、どれだけの利益を稼ぎ出しているのかを示したROE(自己資本利益率)が高くて、効率よく稼いでいるか、そして、借金が多いとその返済が足かせになって、事業拡大に集中できないので、自己資本比率が高く借金に頼らないで成長し続けているか、といった基準で会社を探しましょう」(森永氏)

 株価に発行済株式数をかけた時価総額も大切という。

「会社の規模を示す時価総額が小さいほうが、少ない資金流入で株価も上がりやすく、ビジネスを進める上でも社員がまだ数十人といった小さな会社のほうが意思決定も早い。果敢にリスクをとって成長のためのチャレンジができます」(森永氏)