オンライン販売が10月も絶好調、国内ポップトイ市場の急成長が追い風

現地コード 銘柄名
09992

泡泡瑪特国際集団

(ポップマート)

株価 情報種類

54.25HKD
(11/5現在)

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 オリジナルキャラクターのフィギュアの企画販売を手掛ける中国のポップトイ最大手、ポップマートは、淘宝(タオバオ)や天猫(Tモール)などのネット通販プラットフォーム上での売上高が、2021年10月に前年同期比121%の大幅増を記録した(淘数据調べ)。7-9月の勢いを持続し、業界平均や主な競合他社を上回る好調ぶりだった。BOCIはオンライン販売の好調とオフライン販売の回復が続くとみて、10-12月期決算を楽観。業界最大手の同社にとっては、国内ポップトイ市場の急成長が追い風になるとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 淘宝や天猫など、アリババ集団(09988)傘下のネット通販プラットフォームにおける10月の売り上げは前年同月比121%増と、業界平均の同23%増を上回るペース。尋找独角獣(Finding Unicorn:同67%増)、52TOYS(同22%減)などの主要競合他社を大幅に上回る伸びを記録し、マーケットリーダーとしてのIP(知的財産)事業の高い競争力を示した。BOCIによれば、この統計に示されたポップマートの10月の売上高のうち、91%は中身が見えない「ブラインドボックス」タイプ。シリーズ別ではナンバーワン人気の「SKULL PANDA」が約26%と、最大の割合を占めた。BOCIは新たに出店したJDドット・コム(09618)やTikTokなどの通販プラットフォームを含めた場合、さらに急速な売り上げ成長が見込めるとしている。

 経営陣は来たる11月11日(独身の日)の一大ネットセールイベント、「双11」において、すべての通販プラットフォームでのポップトイ部門の売り上げ首位を目指す。一方、経営陣によれば、オフラインの実店舗販売も回復傾向。10月には国慶節ゴールデンウィーク期間中の力強い需要がけん引し、月間の過去最高を記録した。新型コロナ感染の緩和を受けたオフライン需要の拡大に対応するため、10-12月期には店舗網の拡大を加速させる方針。「SKULL PANDA」第4弾となる新シリーズの投入も、全販路で売り上げ増を後押しする見通しという。BOCIはサプライチェーンの正常化というプラス要因にも言及し、10-12月期の急成長の持続を予想している。

 BOCIは2021-2023年の利益見通しを据え置き、2022年予想PER(株価収益率)55倍をベースとする目標株価を維持。同社株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた。今後のレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、市場競争の激化や消費者の嗜好(しこう)の変化、ブランドエクイティー(資産価値)の劣化、人気IPの確保難、商品インフレなどの可能性を指摘。さらに政策面の不確実性、海外展開の不確実性に言及している。