株価反落も強気見通し継続、景気テコ入れに向けたインフラ投資の加速を予想
現地コード | 銘柄名 |
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00390 |
中国中鉄股フン有限公司 (チャイナ・レールウェイ) |
株価 | 情報種類 |
3.98HKD |
株価 企業情報 チャート |
香港株式市場では8月初め以来、中国本土の建設銘柄の株価が上昇したが、BOCIは現在、次の買いのタイミングが到来したとみている。中国の2大ゼネコンのうち1社、中国中鉄のバリュエーションは最近の反落を受けて再び下向いたが、これが最大手銘柄の安値買いの好機を意味するとの見方。仮に、中国政府が不動産引き締めを緩和しないのであれば、国内経済へのテコ入れ策として、インフラ建設投資を強化する必要性が高まるとしている。インフラ建設は政府当局の指示により、迅速に実行できる唯一の景気対策の分野。中国中鉄の現在株価のバリュエーションがヒストリカルな低水準にあると指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
建設銘柄の株価は8月初めから上昇してきたが、これはインフラ建設資金の調達に向けた地方政府債の起債が加速するとの期待が背景。ただ、その後は最新指標に示されたインフラ投資の鈍さから、関連銘柄は再び調整する展開となった。また、建材供給のひっ迫感や電力不足によるコスト高も、川下の建設活動に影響するとの警戒感が強く、建設銘柄への投資マインドを悪化させた一因。BOCIはこうした複数の要因を指摘しつつも、このタイミングでの、ゼネコン大手の買いを推奨している。
仮に厳格な不動産引き締め政策を継続する場合、政府は景気下支え策として、インフラ投資の拡大に舵を切る可能性が高い。インフラ建設は地方政府、あるいは中央政府の直轄下にあり、強化策への転換がたやすい。短期的には電力供給のひっ迫がインフラプロジェクトの進捗に影響するとみられるものの、2022年2月以降には建設ペースが加速する可能性が高いという。
BOCIは最近の反落を受け、同社株のバリュエーションが再び、2021年予想PER(株価収益率)でわずか2.9倍という低水準に沈んだとしながらも、最終的にはやはり、景気テコ入れ策はインフラ投資頼みになると予想。建設請負銘柄の買いの好機に当たるとした。個別では中国中鉄を選好。利益成長率と新規受注の伸びが同業銘柄を上回る上に、米国の制裁対象リストから外れていることをその理由に挙げた。目標株価を据え置きながらも、目標水準までの大幅な上値余地を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、建材調達価格の高騰を受け、2021年10-12月期に利益率が悪化する可能性を挙げている。