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金への投資
堀古 英司
ウォール街から~米国株の魅力~
ニューヨークのヘッジファンド運用マネジャーである堀古英司氏による週刊レポート。単なる分析にとどまらず、出来るだけ「裏を読む」という観点で米国経済、市場についてお伝えするコーナーで…

金への投資

2009/10/9
ニューヨークのヘッジファンド運用マネジャーとして活躍する堀古英司氏による米国市場レポート「ウォール街から~米国株の魅力~」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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7月の楽天証券10周年セミナーでも少し触れましたが、現在の国際金融環境を鑑みるに、金は欠かせない投資対象の一つと考えています。我々が運用するファンドで金への投資(正確にはドル建て金ETFのコールオプション)を実施し始めたのは今年春の事でした。ファンドを運用し始めて9年半になりますが、当時はまさかファンドに金を組み入れる事になるとは考えてもみませんでした。

繰り返し申し上げてきた通り、大手金融機関が連鎖倒産して金融システムが麻痺してしまうかもしれないという「リーマン・ショック」は今年春で一旦終了しました。しかし、それは世界各国政府による様々な対策のおかげである事を忘れてはなりません。そして各国政府はそれを実行するために、大きな犠牲を払っているのです。

大きな視点で見れば、現在世界経済を襲っているのはデフレです。各国政府はこれを克服するために財政出動して国債を増発、しかしその国債は中央銀行が買っていますから、市場には印刷された通貨が残ります。こうして世界にはこれまでにないペースで通貨が印刷されています。これまで通貨、又は通貨をベースとした様々な資産に価値保全機能を求めてきた投資家にとってはたまったものではありません。相対的に、自分は多めに持っていると思っていた通貨が、知らないうちに周りの人も皆、沢山持っている、という状況が起こりつつあるのです。

このような状況で、投資家はどのように資産の価値を守る事ができるのでしょうか?金への投資は一つの有効なヘッジ手段だと考えています。もともと短期金利は殆どゼロという状況が続いています。政府の希望は、ゼロ金利を続ける事によっていつか住宅価格が上昇して資産デフレが解消する事でしょう。しかし住宅価格は、バブルだったものが下落して正常に戻りつつあるというのが現実ですから、金利ごときで解決するような簡単な問題ではありません。むしろ今の状況では、政府の意図せざる結果を生む事になってしまうでしょう。即ち、低い短期金利を利用してレバレッジをかけられる、商品のような市場に投資家の資金が流入してしまうのです(株も悪くありませんが、商品の方が高いレバレッジがかけられます)。中でも規制が強化されつつある原油市場と異なり、金市場で実需の割合は低いですから、金価格が上昇して困る人はそれほどいないでしょう。

金はよくインフレヘッジと言われます。しかし私はむしろ、デフレが続けば続くほど金に資金が流れやすくなると考えています。デフレが続けば各国政府はますます通貨を印刷してくるだろうからです。通貨が印刷されても、皆がこれをタンスにしまっている間はインフレは起こりません。その間に投資家は、せっせと資産の一部を金に移して保全を図っていくという訳です。

このような考えから、これまでにはなかったような、株式や債券に投資されていた資金の一部が金に向かいつつあります。しかし巨大な市場である株式や債券と比べ、金というのは極端に小さな市場です。株式や債券市場からの少しの資金流入で、価格は敏感に反応してくるでしょう。しかも一連の金融危機に対応して各国政府が取った対策に嫌気をさした株式や債券の投資家の資金が金市場に流入し始めてから、それほど時間が経っている訳ではありません。金は今週、史上最高値を更新しましたが、相場はまだ若いと考えています。

(2009年10月8日記)

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