THE S&P 500 MARKET: 2021年9月

 月初の株式市場は好調で9月2日には(今年に入って54回目となる)最高値を更新しました(4536.95、2020年11月以降、終値での最高値を更新した日が毎月あったことになります)。その後は、好調さを維持したまま月末を迎え、四半期を締めくくるはずでした(与野党の対立が続く政治の紛糾を尻目に)。しかしながら、実際には全く異なる展開となりました。

 9月は年間でパフォーマンスが最も低い月だという伝統を株式市場は見事なまでに踏襲し(これまでの9月の平均騰落率はマイナス0.99%で、53.8%の確率で下落しています)、(控えめに言っても)月末まで厳しい展開が続きました。公平を期するために言えば(短期的には弱気相場だが、長期的には強気相場)、損失は制御可能なもので、売りも秩序立っていました(1日の下げ幅が最大となったのは9月28日で2.04%の下落)。結局、9月の下落率は4.76%となりました(月間の騰落率がマイナスになったのは2021年1月のマイナス1.11%以来。

 また、下落率は2020年3月のマイナス12.51%以来の大きさでした)。第3四半期は僅かに0.23%の上昇にとどまり(2020年第3四半期は8.47%上昇)、年初来では14.68%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス15.92%)、コロナ危機前の2020年2月19日の終値での高値(3,386.15)からは27.21%上昇(同プラス30.62%)、直近最安値となる2020年3月23日(2,237.40)からは92.52%上昇(同プラス97.28%)となりました。

 再び、公平を期すために言えば(何度も同じ表現を使いたくはないのですが)、9月はのんびりとした夏季休暇を終えて市場が仕事モードに戻る月であり(これは疑わしいですが)、ワシントンの善人達も同様です。しかし今年のワシントンでは年次予算以外にも対応しなければならない問題があったようでした。政府予算が期限切れとなる数時間前につなぎ予算案が議会で可決され、大統領による署名がなされました(債務上限問題やいくつかの景気刺激策に関しては与野党間での協議が続いています)。

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