2021年3-8月期に増収率減速へ、長期見通しは慎重ながらも楽観的

現地コード 銘柄名
06110

滔搏国際控股

(トップスポーツ・インターナショナル)

株価 情報種類

9.64HKD
(9/27現在)

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 ナイキやアディダス、プーマなどの海外有力ブランド製品を扱う中国のスポーツウエア販売最大手、滔搏国際の2021年8月中間決算は、売上高が伸び悩む可能性が高い。新疆綿ボイコット問題に絡む国内での海外ブランド不買運動や新型コロナ感染の再燃が背景。ただ、BOCIは小売価格の値引き率の縮小とコスト抑制を理由に、利益率は改善するとの見方。長期の業績見通しに変化はないとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 新疆ウイグル自治区での矯正労働疑惑に絡み、中国国内では2021年3月に海外ブランドの不買運動が発生。ナイキやアディダスを含む海外ブランドに対する消費マインドが悪化し、滔搏国際の8月中間期決算に対しても一定の打撃となった可能性が高い。その影響は4月に最悪期を迎えた後、5月-7月前半には段階的に和らいだが、続く7月後半-8月には新型コロナ・デルタ株の上陸と豪雨による洪水被害が足を引っ張る形となった。このため、BOCIは2021年8月中間期の売上高について、前年同期比8%増の170億元を予想。グレーターチャイナ(中国本土・香港・台湾)におけるナイキのパフォーマンスとほぼ足並みをそろえたペースを見込む。ナイキの2021年3-5月期決算は前年同期比9%の増収。経営陣は9月24日、続く6-8月期について、増収率が同1%に減速するとの見通しを示した(為替変動要因を除外)。

 一方、実店舗での値引き率の縮小と、逆風下にあった取り扱いブランド各社による補助金の増額で、粗利益率は上向く見込み。BOCIは上期に前年同期比1.4ポイント上昇するとみている。また、販売費及び一般管理費の対売上高比率の上昇を粗利益率の改善効果が相殺し、営業利益率も0.2ポイント改善すると予想。純利益率も8.5%へ0.2ポイント上向き、純利益は前年同期比10%増の14億元に上るとの予測を明らかにしている。

 同社の長期見通しに関して、BOCIは慎重ながらも楽観的。新疆綿問題の悪影響が和らぐ中、ブランド各社はマーケティングへの投資と新製品の投入を強化し、国慶節連休(10月1-7日)と一大ネット通販セールイベント「双11」(11月11日)への準備を整えているとした。コロナ感染の再燃による影響が引き続き不確実要素となるものの、迅速かつ徹底的な感染抑制を図る当局の対応により、悪影響は短期的に収束するとの見方。長期的には販売エリアの拡大とデジタル化の加速による売り上げ成長の持続を見込む。

 BOCIは2022-2024年度の利益見通しと目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。今後のレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、◇コロナ感染の長期化、◇中国でのDTC(消費者向け直接販売)戦略に伴う“共食い”、◇店舗網拡張の減速と店舗生産性の悪化、◇大株主による大規模な持ち株売却、◇政治的緊張などの可能性を挙げている。