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ファニー・フレディー問題(1)~最終的なツケは日本に
堀古 英司
ウォール街から~米国株の魅力~
ニューヨークのヘッジファンド運用マネジャーである堀古英司氏による週刊レポート。単なる分析にとどまらず、出来るだけ「裏を読む」という観点で米国経済、市場についてお伝えするコーナーで…

ファニー・フレディー問題(1)~最終的なツケは日本に

2008/7/15
ニューヨークのヘッジファンド運用マネジャーとして活躍する堀古英司氏による米国市場レポート「ウォール街から~米国株の魅力~」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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2002年、例年スイスで開催されるダボス会議(世界経済フォーラム)は、同時多発テロからの復興を支援する意味でNYで開催されました。私が定期的に出演させていただいているテレビ東京のWBS(ワールド・ビジネス・サテライト)ではNYのスタジオから特別番組が放送される事になり、キャスターの小谷真生子さんや東京大学大学院の伊藤元重教授という超豪華な顔ぶれと共に出演させていただく機会がありました。その番組の中で、小谷キャスターに当時増加し始めていたドル買い・円売り為替介入の問題について聞かれ、私はこの政府系住宅金融機関、ファニーメイ・フレディーマックが内包するリスクを指摘させていただきました。

2000年当時に2,000億ドル台だった日本の外貨準備高はこの時4,000億ドル台に急増していた時期でした。円高が日本経済にとって望ましくないとの判断からでしょうか、恐らく内包するリスクを全く考慮していないとしか思えない巨額のドル買い・円売り介入が実施されていました。私が指摘させていただいた問題は以下の通りです。

  • 日本の外貨準備は恐らく9割方、米国債で運用されている
  • 米国ではファニーメイ・フレディーマックといった政府系住宅金融機関が住宅金融を担っている
  • 市場はこの政府系住宅金融機関が発行する債券は暗黙の政府保証があると信じている
  • この政府系住宅金融機関に「もしも」の事があった場合、金額が巨額のため、米国政府の負担とならざるを得ない
  • 米国政府の負担という事は米国債保有者、即ち日本政府の負担を意味する
  • 今は住宅市場が堅調だから良いが、いずれ大きな問題となる可能性がある

即ち、米国債というのは、政府系住宅金融機関に「もしも」の事があった場合の爆弾を抱えている金融商品だという事を説明した上で、そのような金融商品に、日本国民の大切な資産である外貨準備を9割も突っ込んでいても良いのですか、という事を指摘させていただいたのです。そして改善策として第一に、現在も公表されていない外貨準備の運用内訳を明らかにする事、第二に通貨をユーロなどに分散すると共に、運用対象も分散すべきと申し上げました。

あれから6年、この問題を緩和する時間はいくらでもあったと思います。しかし恐らく現時点でも米国債が9割という内訳は変わっていないのではないかと推測されます。しかも当時4,000億ドルであった外貨準備は現在、2.5倍の1兆ドルに膨れ上がってしまっています。このような中、日本がファニー・フレディー問題から受ける被害を回避するのに対策を打てる期間はすでに終わってしまったようです。

現在、アメリカも日本も、このファニー・フレディー問題で大騒ぎです。ただ日本では、これは対岸の火事と考えておられる方も多いのではないかと思います。しかし私は結局の所、この問題は震源地である米国に与える影響は軽微にとどまる一方、今後数年にわたって日本にダメージを与える大きな問題になると考えています。

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