優待利回りの計算式は、

優待利回り(%)=優待品の換算金額(年間合計)÷優待をもらうのに必要な投資金額×100

 そして配当利回りと優待利回りを足して、配当優待利回りを計算します。

配当優待利回り(%)=配当利回り(%)+優待利回り(%)

 桐谷さんが買い注文を出す目安となる配当優待利回り(%)は4%ですが、株価が上昇してくると、4%を下回ってしまいます。そのときは売って利益を得るのでしょうか。

「そこが難しいところです。アベノミクスの前は株価が上がったり下がったりしていたので、上がったら利食って(売って利益を得て)、次に下がったときに買い戻していました。私だったら上がり続けている間は、配当と優待をいただきながら持ち続けます。長期保有をすると優待内容がアップする長期保有優遇制度がある銘柄も増えていますから、慌てて売る必要はないと思います」

 逆に買ったものの値上がりせず、下がり続けたらどうするのですか。

「バブル崩壊後に保有銘柄が大きく値下がりし、あわてて手じまった(売った)ら、そこが大底だったという苦い教訓から、『損切りはしない』と決めました。その代わり、株式投資は信用取引を使わず、必ず余裕資金を使い、安値を見極めて買っています。以前の私は(預貯金ではほとんど利息が付かないため)現金のほとんどを株に替えて持っていましたが、今は割安株を買えるように、ある程度の現金を持つようにしています。先ほど損切りはしないとお話しましたが、例外があります。もし株式投資初心者の方が株価急上昇している銘柄を買ってしまった場合、天井をつけると、今度は株価がどーんと暴落する可能性が高くなります。どーんと下がり始めたら、早めに損切りをしたほうがいいですね。どこまで下がるかわかりませんから」

 最後に株式投資初心者が20万円の資金で優待株投資を始めるとしたら、どんなふうに買えばいいかと聞きました。

「5万円ずつ4銘柄買いましょう。4種類の優待品が楽しめて、分散投資もできるでしょう?」

 桐谷名人、即答でした。

第4話:株主優待の桐谷さん、リスク分散する「桐谷流、優待株の買い時・売り時」

■第1話:桐谷さん、株で失敗する「証券マンとのお付き合いでスタートした株人生」

■第2話:株主優待の桐谷さん、優待に出会う「信用取引の大損で激貧に。優待で食いつなぐ」