2021年4-6月決算は予想上振れ、出前など主力事業の効率化が寄与

現地コード 銘柄名
03690

美団点評

(メイトゥアン・ディエンピン)

株価 情報種類

228.40HKD
(8/31現在)

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 中国の生活関連プラットフォーム最大手、美団の2021年4-6月期の売上高は、前年同期比77%増の438億元に達し、市場コンセンサス予想を3.3%上回った。主にフードデリバリー(出前)事業の59%の増収が背景。出前およびホテル予約業務の営業利益率の改善により、純損失は市場の予想より小幅だった。BOCIは利益見通しの上方修正(12月通期の赤字縮小を予想)を反映させる形で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 4-6月期の売上高は市場予想を上回る前年同期比77%増の438億元。営業損失は32億5,000万元、純損失(非GAAP)は22億2,000万元と、市場予想より36%、45%小幅だった。

 事業別では、出前部門の売上高が4-6月期に前年同期比59%増の231億元(総取引額GMVは約60%増の1,736億元)。業務の効率化と強力な執行力を背景に、営業利益率は10.6%へ2ポイント上向き、過去最高水準に達した。一方、店舗予約およびホテル・旅行予約部門の売上高は89%増の86億元で、営業利益率は前年同期を1ポイント上回る42.6%。医療関連やペットケアなど、外食以外の分野を開拓したことが奏功した。4-6月の国内ホテル宿泊予約数は、1億4,000万泊を上回る数字となっている。

 このほか、新規事業・その他部門の売上高は4-6月期に前年同期比114%増の120億元。小売りやB2Bの食品流通ビジネスなどがけん引した。ただ、営業損失率が前年同期を4.8ポイント上回るマイナス76.8%に悪化し、部門営業損失は92億元に拡大した。うち地域コミュニティ向け共同購入サービス「美団優選」(Meituan Select)は、アクティブユーザー数が累計1億2,000万人を突破。引き続き事業の拡大とサプライチェーンの強化に向けた最優先の投資対象となった。BOCIによると、続く7-9月期には、部門営業赤字が104億元へさらに膨らむ見込み。7月11日に配車サービス市場に再参入したことがその一因。「美団優選」の営業赤字については75億元を見込む。

 7-9月の新型コロナ感染の再燃や豪雨被害の影響を反映させる形で、BOCIは2021年通期の予想売上高を3.3%減額修正。2022年、2023年については、1.8%、3.6%増額修正した。また、業務効率化や新規事業向けの負担軽減による粗利益率の改善を見込み、2021-2023年の利益見通しをそれぞれ11%(赤字縮小を予想)、9%、1.2%上方修正した。

 これに伴い、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因は主に政策面にあるとし、ギグワーカー向けの待遇改善やデータセキュリティー強化、プライバシー保護の強化に伴う費用増の可能性を指摘。ほかに、国内経済の減速に伴う消費萎縮の可能性を挙げている。