つまり、ETFという「箱」に債券やコモディティが入っているのは問題ないけれど、「箱」自体が債券だとダメということですね。
さて、ここまでは、制度上、NISAの対象となっている商品についてみてきましたが、 実際に各金融機関が取り扱う商品は異なります。そこで、それぞれの金融機関ごとに、NISA口座でどの商品を扱うのか、具体的にどんな銘柄が買えるのか、どのサービスを対象とするのかを比較・検討したいところです。しかし、現状ではむずかしいのが現状です。
先日、『日経マネー』編集部とともに、主要な証券会社にNISAで提供する商品・サービスに関するアンケートをとったところ、「検討中」という項目が多くみられました。(詳しい結果については『日経マネー』6月21日発売号をお読みください)。
たとえば、商品については、とくに海外投資(海外の個別株、海外ETF、外国籍株式投信)についての取り扱いを決めていないケースが目立ちました。また、2009年以降最低積立金額が大幅に下がり、現役層を中心に普及してきた投資信託の積み立てですが、NISA口座で対応するかどうかは対応が分かれそうです。
そこで、ここはひとまず、金融機関の選択についてはひと休みしませんか。そして、その間に、金融資産全体の中で、NISA口座をどう活用するのか、そして、NISA口座で運用する商品を何にするか…をしっかり考えましょう。今は焦らず、NISA口座の「目的・役割・位置づけ」を整理した上で、どう使うかという「戦略」をしっかりと立てる時期なのだと思います。7~8月くらいに各社の商品・サービスが出そろったら、それに合致した金融機関を選べばいいでしょう。