先週は注目の決算が相次ぎました。その中から、テスラ、アルファベット、マイクロソフトの決算内容を振り返ります。3社とも好決算となりましたが、製造業の側面があるテスラ、マイクロソフトは半導体の不足などが嫌気されて株価は下落、アルファベットはオンライン広告需要の底堅さを確認できる内容で株価は上昇しました(4月28日時点)。

1.テスラ(TSLA)

 2021年1-3月期業績は前年同期比74%増収、調整後EPS(1株当たり利益)は308%増益。調整後EPSは市場予想を16%上回った。しかし決算発表後の時間外取引で株価は下落。今後の見通しについて会社側が2021年の納車台数の見通しを明確に示さず、半導体などの不足による影響が7-9月期まで続く見通しを示したことが嫌気されたとみられる。このサプライチェーンの問題は今後改善する可能性が高いが、現状の米国株式市場では「今」稼ぐ力を証明することが重要。既に非常に高バリュエーションで評価されていたこともあり、積極的な買いが入りづらい状況。

2.アルファベット(GOOGL)

 2021年1-3月期業績は前年同期比34%増収、EPSは144%増益。EPSは市場予想を68%上回った。主力の広告事業は、「グーグル検索&その他」が30%増収、「YouTube広告」が49%増収、「グーグルネットワーク」が30%増収、と好調に推移。オンライン広告需要の強さを投資家に示した。「YouTube」は月間のログインユーザーが20億人以上、毎日10億時間以上の動画が視聴されており、マスマーケティングをしたい大企業の広告主にとって魅力的なツールになりつつあるようだ。「グーグルクラウド」はまだ赤字だが、増収率は46%増と高成長を遂げた。今年後半から前期と比べたハードルが高くなるが、来期以降もテレビに代わる広告提供者としてのポジションが業績をけん引するだろう。決算発表後の時間外取引で株価は上昇した。テスラ、マイクロソフトと異なり、半導体などの不足や高騰の影響を相対的に受けにくい点が魅力。

3.マイクロソフト(MSFT)

 2021年1-3月期業績は前年同期比19%増収、調整後EPSは39%増益。調整後EPSは市場予想を9%上回った。パソコンの出荷台数が四半期ベースでは過去20年余りで最大の伸びとなり、クラウドサービス「アジュール」は50%増収と好調に推移した。しかし決算発表後の時間外取引で株価は下落。半導体の不足により、パソコンとXboxの供給に制約が生じていると発言したことが嫌気されたもよう。Xboxについては在庫が逼迫(ひっぱく)し、4-6月期にも影響が及ぶもようであり、当面、株価は様子見モードになるだろう。