会計や財務について学ぶため、専門学校に進学

──高2で1,500万円に増やしたところまで伺いましたが、その後はどうだったのですか。

 たしかその翌年だったと思いますが、200万円まで減らしました。湾岸戦争が勃発し、株価が急落したんです。

──まだ高校生ですよね。ショックが大きかったのではないですか。

 それまで順調だっただけに株の怖さを思い知らされました。こんなに値が下がることもあるんだ、と思いました。

 ただ、少し冷静になって考えると、来るべきときが来たという感じもしました。というのも、それまで投資の勉強なんてほとんどしたことがなかったんです。

 高校に入ったころから地元の証券会社に出入りするようになり、投資家のオジさんたちから情報をもらったりしていましたが、企業の業績分析とか、そういう知識はまったくありませんでした。

 要するに、今までは運が味方してくれたけど、ろくに知識があるわけではないんだから、いつまでも勝てるわけがないと思ったんです。

──勉強することにしたのですか。

 はい、それで高校卒業後は会計系の専門学校に進学しました。

──投資家になるためだったのでしょうか?

 投資家になろうと決めていたわけではありません。でも、株で食べていけたらという思いはありました。

──それを実現できたのが、やはりスゴイです。

 いったん200万円まで減らしましたが、その後、少しずつ挽回できたんです。専門学校で会計や財務を学び、人並みに知識がついてきたことも大きかったかもしれません。

 それで徐々に決意が固まっていきました。

──そこからは順風満帆だったのですか。

 いえ、そんなに甘くはなかったです。

 当時は資産3,000万円を目標にしていました。3,000万円を年20%でまわしていけば毎年600万円の利益を得られます。つまり、世の中のサラリーマンと同じくらいの稼ぎを得られるわけで、それなら余裕で食べていけると思いました。もちろん、年20%というのは簡単ではないですが…。

 でも、結局、20代のうちは3,000万円までたどりつけませんでした。

──いつ頃、達成できたのですか。

 2004年、31歳になった時です。

 それからすぐリーマンショックに見舞われたので、いったん減らしましたが、その後は順調です。

──それで昨年、4億円を達成したのですね。
 それでは、次回はかぶ1000さんが実践されてきたバリュー投資について詳しくお伺いします。

※このインタビューは2020年3月19日に実施し、2020年4月24日に初回掲載したものです。

「株式投資は人生最高の友」。中学生から投資を続けるかぶ1000さんがおっしゃると説得力があります! とても真摯に、そして楽しそうに投資について語るお姿が印象的でした。

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