※本記事は2016年9月28日に公開したものです。

 前回は、気にしない運用をする、勉強する、金融機関を頼る、という一見それで良さそうな方法でも、私たちは相変わらず一喜一憂してしまうとお伝えしました。では、本当の意味で“一喜一憂”に対処するにはどうしたらよいのでしょうか?

うまくいかない人が嵌っている “一喜一憂の世界”

 まず、資産運用でうまくいかない人が嵌っている構図はどのようになっているのでしょうか? 私は次のような“一喜一憂の世界”だと考えています。

 例をあげて見ていきましょう。

 運用していない人が「預金金利は低いし、やっぱり運用したほうが」と思って、金融機関を頼って運用を始めます。金融機関からは国際分散投資を中心に提案され、期待を持って運用を始めると、殖える時には殖えますが、株安や円高の局面では資産が目減りしてきます。すると不満が出てきて「やっぱり運用なんてするもんじゃない」と思って運用をやめるか、「戻ったら売却してもう運用はやめよう」という気になってきます。

 中には「証券会社の言う通りではなく自分で勉強しなければ」と思って、マーケットの見方・見通しについて勉強する人もいるでしょう。すると、「今日の株価は?」「為替は?」「日銀は?」と目先のマーケットに一喜一憂してしまい、さらに資産が目減りし、「やっぱり運用なんて」と思って運用をやめていきます。でも、再び株高や円安になってくると「運用しておけばよかった」と思い、また運用を始めていきます。

 このように、うまくいっていない人は、『運用しない』『自分で運用』『金融機関を頼る』の3つの間を一喜一憂しながらぐるぐると回っているように私には見えます。これが“一喜一憂の世界”です。この“一喜一憂の世界”にいる限り、どんなにもがこうがうまくいかない状態は変わらないと私には見えるのです。