すでに天井をつけた銘柄は株式分割を実施しても株価が下がる

もう一つ、株式分割後も株価が下落してしまう要因として考えられるのが、すでにその銘柄が中長期的な天井をつけてしまっている場合です。

株式分割銘柄の株価が上昇しやすいと言われている理由の1つに、そもそも株式分割を実施する銘柄は高い成長性が見込まれているという点があります。成長性が高いので株価が大きく上昇→株式分割の実施→成長が続くのでまだまだ株価上昇→株式分割の実施・・・という好循環が生まれやすいのです。

ところが、株式分割を実施したにもかかわらず株価が下落している銘柄の多くは、足元の業績とは関係ない、いわゆる材料や思惑で株価が大きく上昇した、という特徴があるように筆者は感じます。

このような銘柄は、材料や思惑が一通り織り込まれてしまえば株価は天井をつけてしまいますから、例えばそこから株価が下がった局面で株式分割が実施されても、株価のトレンドを覆すことができないのです。

ですから、株式分割が行われた銘柄のうち、分割前の最低投資金額が100万円を超えていたもの全てが株価下落となっているわけではありません。例えばFFRI(3692)は株式分割後も順調に株価が上昇し、昨年末(12月30日)にも上場来高値を更新しています。まだ天井をつけきっていない銘柄、言い換えれば潜在的な買いの需要がまだまだ潤沢にある銘柄であれば、株式分割が行われた後も株価上昇が期待できるのです。

株式分割銘柄へのこれからの対処法は?

このように、「株式分割=株価上昇」と手放しで喜ぶことができなくなった現在、株式分割銘柄にどう対処していくのがよいのでしょうか。

上で述べたように、株価がすでに天井をつけた銘柄であればあまり手を出すべきではありませんし、まだ天井をつけていない銘柄ならば株価上昇が大いに期待できます。これを見極めるには、やはり株価のトレンドを確認するのが一番だと思います。

特に、中期的なトレンドを表す週足の株価チャートをチェックするようにしましょう。週足のトレンドが上昇トレンドになっていない銘柄は、株式分割という好材料で株価が反応しても一時的なものに終わってしまう可能性が高いからです。その上で、日足チャートで売買のタイミングを見計らうのが実践的な対処法です。

アドテックプラズマテクノロジーも、株式分割時の週足のトレンドはすでに下降トレンドになっていました。

株式分割があろうとなかろうと、株価のトレンドに従った売買が基本であり、株式分割という材料を特別視してトレンドを無視することだけは避けたいものです。

 

「株式分割=株価上昇」という「常識」は崩れ去ろうとしています。おそらくこれから先も、今まで誰もが常識と思っていたことが覆される場面が訪れることでしょう。マーケットという荒波を乗り越えていくためには、固定観念にしばられることなく、常に疑念を持ちながら行動していくことも重要です。