世の中を良くしてくれる会社に投資する

──最初はインデックスファンドの比率が高かったとのことですが、いつごろからアクティブファンドにシフトしていったのですか。

 2014、2015年くらいからですかね。まだインデックスファンドも買っていたので一気に比率が変わったわけではありませんが、いろんなアクティブファンドを購入するようになりました。

──何か理由があった?

 ひとつはちょっと余裕が出てきたからでしょうね。元本割れが続いていたころは積極的にアレコレ買う気にはなれませんでしたが、2012年以降順調に資産が増え、ポートフォリオが大きくなってきたので、いろいろ試してみようと。

──自分が本来やりたかったこと、つまり、応援したいと思うような企業への投資に重点を置こうと考えるようになった?

 はい、そういうことです。

──ちなみにrennyさんが応援したいのはどういう会社なんですか。

 ひとことで言えば世の中を良くしてくれる会社です。世の中を良くするような事業を行っている会社といったほうがいいかな。社会貢献活動や環境対策に力を入れている企業も素晴らしいと思いますが、それよりも本業で社会に貢献している、世の中の課題の解決策を提供する企業に魅力を感じます。

──では、ESG投資(※)にはあまり関心がない?

※ESG投資:環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)への取り組みによって企業を評価する投資方法

 そんなことはないですよ。ただ、ESG経営を行っている企業だから投資するとか、そういうことはないですね。

──世の中を良くしてくれる会社に投資するというお考えはとても素晴らしいと思いますが、たぶんそういう人は少数派でしょうね。

 僕は、投資ができるというのはとても恵まれたことだと思ってるんです。世界中を見渡せば、投資したくてもできない、いや、日々どう生きるか精一杯で、投資なんて考えたことがないという人も大勢います。だとしたら、自分さえ儲かればいいというのは無責任のように思えるんです。人より恵まれた環境にいて、いろいろなことができる立場にあるのだから、それに見合うようなことをすべきではないかと。だから、せめて社会に役立つようなことがしたいんです。

──なるほど。

 ただ、誤解してほしくないですが、パフォーマンスはどうでもいいと考えているわけではありません。僕が投資している会社が成功を収め、その結果世の中が良くなったら、そりゃあもう最高にうれしいです。でも、そうなったら僕にも一定のリターンが返ってきます。僕もちゃんと恩恵に授かることができるわけです。

──そういうサイクルになるのが理想ということですね。

 そういうことです。

──他にアクティブファンドに重点を置くようになった理由はありますか?

 僕がいくら世の中を良くしてくれる会社に投資したくても、そういう銘柄を組み込んだファンドがなければどうしようもないですよね。実際、投資を始めた2003年のころは、興味をそそられるようなアクティブファンドは一部しか存在しませんでした。ところが、その後、だんだんと買ってみたいと思うようなファンドがお目見えするようになりました。とくに直販系の投資信託会社が面白いファンドを出すようになったんです。それもアクティブファンドにシフトした理由のひとつです。

──では、次回は具体的にどんなアクティブファンドを購入されているのかお伺いします。

「ファンドの投資先を見よう」。応援したいと思える企業への投資に重点を置く

※このインタビューは2018年11月30日に実施し、2018年12月19日に初回掲載したものです。

中編『rennyさん流アクティブファンドの選び方』へ続く>>

コロナ・ショック緊急インタビュー!個人投資家はどう動いた? アクティブ投信・rennyさん編(2020年4月掲載)