20年1-3月期に抗がん剤販売が好調、新薬開発も順調に進行
現地コード | 銘柄名 |
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01177 |
中国生物製薬 (シノ・バイオファーマ) |
株価 | 情報種類 |
11.36HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国生物製薬の20年1-3月期決算は、売上高が前年同期比0.2%増の62億2,200万元、純利益が同0.6%増の8億6,200万元だった。BOCIは最近の複数の新製品投入やパイプライン(新薬候補)の研究開発が順調に進んでいることに触れ、同社が特許を持つ抗がん剤アンロチニブの製品群の増加や短期的ながんIO(免疫療法)の可能性、第1号ジェネリック薬・コンプレックスジェネリック薬の相次ぐ投入などが、新たな成長サイクル入りを支えるとの見方。20-22年に前年比12%、21%、21%の増収を見込む。
新型コロナウイルスの感染拡大のあおりで、医療機関の受診者数(外来および入院)が逆に落ち込んだため、同社の1-3月の売上高はほぼ前年同期並みにとどまった。品目別では抗がん剤売り上げが61.2%増の約20億元と好調。アンロチニブの販売収入が前年同期比70%増の10億元を記録したことや、アビラテロン(9,300万元)、ゲフィチニブ(5,200万元)の集中調達契約の獲得などが寄与した。一方、肝炎治療薬は苦戦。「潤衆」の減収(前年同期の8億9,000万元に対して5億6,000万元)が響き、1-3月の売上高は23.7%減の13億3,000万元にとどまった。抗感染薬の売上高は新型コロナウイルス効果などで42%増。整形外科系と呼吸器系は11%、12%の増収。心臓病治療薬(託妥・凱時)と鎮痛剤(凱紛)はいずれも減収だった。
全体の粗利益率は1-3月に79.6%と、前年同期比で0.8ポイント低下。販売費及び一般管理費の対売上高比率はほぼ横ばいの47.6%(前年同期47.8%)。研究開発費は前年同期比12.6%増の9億7,400万元で、対売上高比率は15.7%(同13.9%)に上向いた。転換社債に絡む評価益を除外した調整後純利益は14.6%減の8億3,400万元。売掛金回収日数はさらに改善し、前期の42日から38日に短縮した。
20年年初から3月末までに、同社が獲得した新薬承認件数は13件。このうち、4月以降に投入したブロックバスター候補(一般に従来の治療体系を覆す薬効を持つ強力な新薬を指す)2種、ブデソニドおよびヒトアルブミンの販売は好調で、うちブデソニド製品はわずか1カ月で、医療機関600-700カ所に浸透。ヒトアルブミンは5月に約6,000万元の売り上げを記録している。
同社は20-22年に、毎年約30の新製品を投入する計画。再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫を適応症とするpenpulimab(PD-L1 mAb)のNDA(新薬承認申請)は、5月に中国国家食品薬品監督管理局に受理され、21年上期の投入が見込まれている。
BOCIは21年の売上高、純利益見通しを1%ほど小幅に調整。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づき、目標株価をやや引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる潜在リスク要因としては、政策や競争激化、事業発展に際して不透明感を挙げている。