自営業だから定年はないという幻想
小さな商店を経営する70代のBさん夫婦は、自営業のため国民年金に加入していました。
国民年金の2018年度支給額は40年加入した場合の満額で77万9,300円ですが、Bさん夫婦には未払い期間があるため66万円程度、夫婦分を合算しても132万円です。この年金額は国民年金受給者の平均年金額とほぼ同じとはいえ、とても暮らしていけません。
そのことをわかってはいたのですが、Bさん夫婦が資産運用をしていなかった理由は「自営業には定年がないので、サラリーマンと違っていつまででも働ける」と考えていたからです。しかし現実は違いました。
時代が変わって小さな商店に来るお客が激減したこと、体力が衰えて商品の仕入れすら難儀になったこと、老朽化した店舗の修繕費にお金がかかるようになったこと……。
「店が年金代わりと思っていたのですが、当てが外れました」
でも店をたためば132万円で生活しなければなりません。「早く引退したいのですが、引退できそうにありません」と、Bさんは嘆いています。