現状把握と将来シミュレーションをしよう

 誰もが自分がどんな人生を歩むかは分かりませんが、お金の準備をしておくことで、将来への不安を減らすことができるはずです。

 お金の相談者といわれるファイナンシャルプランナーが実際に行っているお金と向き合う方法をご紹介します。人生は一度きりですが、ライフプランのシミュレーションは何度でも可能ですから、さまざまなパターンを作成することで、自分の将来に対するイメージや対策を考えることも可能です。

 ライフプランを設計する際には、まずは現状把握から始めます。現状把握というと何か大げさに聞こえますが、考えることはたった2つです。

⑴ 自分が1年間に得る予定の収入がいくらか
⑵ 自分が1年間に使う予定の支出がいくらか

  この2つの差額が、自分が年間で貯蓄できる金額となります。 これで自ずと自分が今と同じ生活をしていると将来どのような資産推移となるかが分かります。ここから想定される収支の変化や将来のイベントでかかる支出を計算していれば、簡単なシミュレーションは完成です。簡易なシミュレーションは無料で行えるサイトもありますので、ぜひ試してみてください。

 大切なことは楽観的に考えず、むしろ「悲観的に計画を立てる」ことです。20~30代の方なら選択肢が豊富になるでしょう。また60~70代の方なら大きな支出は終わっている可能性が高いので、配偶者や子どもがいるなら贈与や相続を考えることになります。シミュレーションは自由ですから、さまざまなパターンを想定しておけば将来への大きな備えとなってくれます。

備えあれば憂いなし、正しいお金の知識を身につけよう

 厚生労働省が2019年9月に「人生100年時代構想会議」を設置するなど、至る所で人生100年と言われるようになってきました。それはこれまで以上に将来、特に老後について備えが必要になることを意味しています。

 当たり前ですが人生は一人ひとり違う道を歩んでいます。そのためお金の計画も一人ひとり違います。しかしながら、お金の計画を立てる基本はみんな同じです。私は10年以上資産に関するアドバイザーとして多くの方とお会いしてきました。その中でお金に困らない生活ができている方々は、お金の基礎知識を身につけており、今後必要になるお金を把握している方がほとんどでした。

 収入を増やす、節約をするということも大切ですが、まずはお金の知識を身につけて効率的な資産形成、効果的な資産運用を行えるようになることが大切です。