お金のことをどう考えたらいいのか分からない

 人生にはさまざまなターニングポイントがありますが、一般的には「結婚(子育て)」「住宅購入」「定年退職」という、3つの大きなライフイベントがあると言われています。これら3つのイベントは、「子供の教育資金」「住宅購入資金」「老後の生活資金」と、どれも数千万円の資金が必要となります。この3大イベントにかかるお金を考えておく必要があります。

 だからと言って収入を増やすことは簡単ではありませんし、節約をしようにも生活水準を下げることや手間がかかるようなことだと、やったほうが良いと分かっていてもなかなか行動することができないのが人間です。

 そもそも私たちは日本に住んでおり、日本の社会保障制度(社会保険・福祉・公的扶助等)や公的年金制度(20歳以上の全ての人が共通して加入する国民年金と、会社員・公務員等が加入する厚生年金)に加入しています。公的年金制度では、加入対象者の6,740万人のうち約98%が保険料を納付しており、将来年金を受取る権利を持っています(平成29年度末の状況、厚生労働省年金局・日本年金機構作成の公的年金制度全体の状況・国民年金保険料収納対策について《概要》を参照)。

 つまり、私たちは普段の生活の中で税金や社会保険料を支払うことで、万が一の保障や老後の資金をある程度は国が担保してくれています。それらの制度の内容を知らなければ、将来が不安だからと何が備えとして不足しているのか、知ることはできないでしょう。

 難しいことを考える必要はありません。私たちの身近にある制度やお金の考え方を身につけることから始めましょう。