タンス貯金
回収サービスはじめました

 銀行に預金しても、どうせ金利がつかないからと、タンスにためたお札や小銭を眺めながら、今入れている段には入りきらなくなったから、別の段で、もう一段ふやそうかと、うっすら微笑んでいる人に朗報です。

「いいえ、私はタンスになんかお金いれてませんよ、ちゃーんと、銀行さんに預けているんですから!! 」って方にも朗報かもしれません。“タンス”と“銀行”よく考えてみてください。お金を入れる場所が違うだけで、金利が(ほとんど)つかないことには変わりはないんですから。むしろ、今すぐ銀行から引き出して、手ごろなタンスに詰めちゃうことをオススメします。

 タンス貯金をタンスごと回収するサービスが始まります。お預かりしたタンスは、専用の金庫で保管。タンスと現金に最適な温度、湿度で管理。30年後、「物質的な価値」は同じ状態ですが、現金の「マネー的な価値」は、その30年間のインフレ率の動きによって移り変わっていきます。この価値のズレをタイムマシーンのようにお感じいただけるものと思います。

 タンスにお金を詰めて大事にするような方は、思うにきっと人生を真っ当に生きてきた方ですよね。社会人になり初月給をもらった息子から「今月から毎月家賃代わりにお金を家にいれるから、受け取って」と言われ、トイレに駆け込んで涙してしまったお母さんのような方ですよね。っていうか、そのお母さんはあなただったかもしれませんね。息子からもらった家賃代わりの一万円札数枚を生活費にあててしまうことは、はばかられ、タンスの一番足元にある段の奥にしのばせたのは、あなたですね。いつか息子がそのお金を必要になるかもしれぬと、どの月も欠かさずにタンスにしまいこんだのはあなたですね。息子が独立して家を出た月の給料日、余った生活費を“今月の分”として息子が居ない寂しさを埋めるようにタンスに入れたのもあなたでしたね。

 ただここで、少し残念なことがあります。お金をしのばせる先は、タンスでないほうが良かった場合があるということです。タンスでなく投資信託にしのばせていたなら…。仮に30年間毎月定額を年率3%で運用できていたなら、お母さんの真心の価値は1.6倍にもなっていたんです。ふう。

 息子さんの代わりにお礼を言わせてください。あなたの思いをより昇華させるためにも「ありがとう」の気持ちを新たなサービスに込めました。