企業年金に加入したときから「分散投資」を実践

──実際にどのように運用しているのかをお伺いする前に投資を始めたきっかけを教えてください。

 やはり結婚したことが大きかったですね。それまでは入ってくるお金を全部使ってしまうような生活を送っていたのですが、それはさすがにマズイだろう、将来のためにきちんと貯蓄しようと考えるようになりました。では、そのお金をどこに置いておくか。銀行預金に寝かせておくのはもったいない、もうちょっと有利なところに置いておこうと考えたのがきっかけです。

──すぐにインデックス投資に行き着いたのですか。

 じつは私は一度転職していて、前はソフトウエア会社に勤務していたのですが、その会社が、入社した年に企業型確定拠出型年金(DC)を導入したんです。その際、社員向けの説明会が開かれました。だから、インデックスファンドとはどういうもので、どんな種類があるのか、多少の知識があったんです。

──確定拠出型の場合、どのファンドで運用するかは自分で決めるんですよね。

 確か、いくつかのファンドが書かれたリストの中から選べと言われました。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動する日本株のインデックスファンドに先進国株のインデックスファンド、あと株式や債券などを均等に配したバランス型インデックスファンドやアクティブファンドもありました。とはいえ、こっちは社会人になったばかりの新入社員ですから、どれがいいのかさっぱり分かりませんでした。

──結局、どうされたのですか。

 一つに絞らず、何種類か買うことにしたんです。どのファンドがいいのかよく分かりませんでした。そこで1つを選んで買うとそのファンドの値が下がったら、将来ろくに年金をもらえないなんてことになりかねない。何種類かに分散すれば、それらすべての値が下がる可能性は低いはずだから、少なくとも最悪の事態は回避できるだろうと。

 具体的には日本株と先進国株、先進国債券の3つのインデックスファンドに振り分けました。だったら、バランス型1本でもよかったのではないかと思われるでしょうが、当時バランス型は手数料、つまり信託報酬が高かったんです。あと、アクティブファンドも手数料が高いので外しました。

──吊ら男さんは今も分散投資を基本にされていますよね。そのお考えは社会人1年目からできあがっていたのですか?

 いえいえ、あの頃は投資のイロハも分かっていませんでした。何となく直感的に分散したほうが安心と考えたのでしょう。