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さおだけ屋・山田真哉インタビュー前編:会計士も、投資で損をする。なぜだ?
トウシル編集チーム
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さおだけ屋・山田真哉インタビュー前編:会計士も、投資で損をする。なぜだ?

2018/7/31
ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者で公認会計士・税理士の山田真哉さんは、個人投資家としても有名だが、はじめから投資が上手だったわけでない。リーマンショックで大損し、その後、アベノミクス相場で復活。見出した投資テクニックとは?
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さおだけ屋・山田真哉インタビュー(全2回):前編  後編

ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者であり、エンタメ専門会計事務所の所長で公認会計士・税理士の山田真哉さんは、株主優待投資家としても知られています。ただ、お金にまつわる数字を扱う専門家だからといって、順調に投資でもうけていたというわけではありません。むしろ逆。社会人になりたてのころは、「働かずに食べていく方法」を追求するあまり、大損をしたこともありました。

 

バイト代を貯めて50万円で投資信託を買ってみた

 山田真哉さんが投資を始めた時期は、大学を卒業して一般企業で働き始めた1999年、22歳の時でした。当時はまだネット証券が普及しておらず、「勇気を振り絞って証券会社の窓口へ行き、バイトでためた50万円で外国債券をメインの投資対象とした投資信託を買いました」。
なぜ投信を買ったのかというと、投資に「大人」を感じたから。

「就活の時、面接官に経済のことを聞かれても答えられるように、日経新聞を読んで勉強をしたのですが、その時に、大人たちは投資をしていることを知りました。証券会社の窓口では、担当者に対して『ドル/円はこの先も絶対に円安へ向かいますよね』と自分なりの為替相場の見通しを語った記憶があります」

 その年の3月の為替相場は1ドル=110円前後でした。それが2カ月後には120円台になったことから、山田さんはさらに円安が進み130円台、140台になると予想していました。担当者も同意してくれると思ったら「困った顔をするばかり。立場上、『そうですね』とも『違います』とも言えないのです。この時、投資は自己責任なんだと悟りました」

 山田さんは<自己責任>という言葉の重みをすぐに知ることになります。
「円相場は円安ではなく円高へ向かい、9月に105円、12月末は102円に。含み損を抱えた投信は4、5年保有していたと思います。でもこれをきっかけに株式投資にも興味をもつようになりました」

 ところが2000年に公認会計士試験に合格して監査法人に転職したことで、業界の自主規制により株式投資ができなくなりました。

『さおだけ屋』の大ヒットで印税1億円!金利狙いでFXデビュー

 

 投資の世界へ本格的にデビューしたのは5年後。監査法人を辞め、会計学をわかりやすく解説した『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』がベストセラーになり、1億円の印税が入ってきたことがきっかけです。

「知り合いの作家さんからFX(外国為替証拠金取引)でもうかっているという話を聞いて、最初は100万円の資金で始めました。するとすぐに残高が700万円になり、これはぼろいと追加資金を投入し、残高は最高で5,500万円まで膨らみました。当時は100倍のレバレッジをかけていたので55億円を動かしていたことになります。FX会社が提供していた高金利通貨ばかりを買い、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソ、ポーランドズロチなど7、8通貨を保有していたと思います」

 高金利通貨を買うと、毎日スワップ金利(金利の高い通貨を買うと金利相当のお金が受け取れる)が受け取れます。55億円分の高金利通貨が生むスワップ金利は1日5万円、1カ月では150万円にも。

「週明けは(土日分を含めて)15万円も入金されるんですよ。これならスワップ金利で生活できると思いました。同じ時期に株式投資も始めています。最初はとりあえず知っている企業を買いました。三菱UFJフィナンシャル・グループ、新日鉄住金、キャノン、ソニーなど国際優良株と好きなエンタメ系の株ですね。2005年から2007年にかけて買った銘柄が多く、投資資金は2,000万円くらいに膨らんでいました」

リーマン・ショックで痛恨の失敗。本業に専念

 ところが2007年後半からサブプライムローン問題が表面化し、2008年にはリーマンショックが起こり、世界の為替市場と株式市場は大混乱。

「5500万円あったFXの残高はあっというまに300万円に減り、もう一勝負、もう一勝負と追加資金を入れたものの、ついにゼロに。日本株もどんどん値下がりしていました。日経平均株価で言えば2007年の1万7,000円台からあっという間に1万3,000円、1万2,000円まで下がりました。ここでナンピン買い(株価が下がった時に買い増すこと)をしたのですが、株価はさらに下がり続け、リーマンショックを経て2009年には9,000円台に。この時にナンピンができればよかったのですが、そうはいきません。FXで大損をしたこともあり体力が尽きてしまいました」

 FXの残高はなくなる。株は大きな含み損を抱えて塩漬け状態。仕事は監査法人を辞めていたので無職。客観的にはかなりやばい状態に追い込まれました。

「スワップ金利と株の配当で生活しようとしたけれどうまくいかなかったので、心を入れ替え、税理士業務を行うために税理士登録をしました。本業で頑張ろうと誓ったのです」

 2011年ごろから相場が回復基調となり、2012年12月からアベノミクス相場が始まりました。含み損が徐々に解消されたため一部は売ったものの、いまも多くの銘柄を保有し続けています。新たに買った銘柄もあるため、山田さんの保有銘柄は60~70銘柄まで増えました。

買ったら忘れる超長期投資「forget戦略」

「リーマンショックやアベノミクスを体験して分かったことがあります。私は以前、チャートや板(買い注文と売り注文の一覧)を見て、買うタイミングや売るタイミングを図っていましたが、超長期保有を前提とした投資では、どちらも関係がないということです。日経平均株価1万7,000円のころに買った銘柄がリーマン・ショックで半値になっても、保有を続けたおかげで(日経平均株価2万円台の今は)買値を上回っているのですから」

 目先、値上がりしても値下がりしても保有し続ける超長期の投資スタイルを、山田さんは「forget戦略」と呼んでいます。買ったら忘れる。だからこそ、銘柄選びが大切です。次回は山田さん独自の銘柄の選び方と、株式投資の意味を紹介しましょう。

 


山田真哉(​公認会計士・税理士)

 

声優・作家・音楽家などエンタメ専門会計事務所の所長。1976年兵庫県神戸市生まれ。大学卒業して会社員となる。2000年公認会計士試験に合格し監査法人に勤務。04年に独立して現職。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書)は160万部のベストセラー。「坂上&指原のつぶれない店」(TBS系)などのレギュラー出演番組がある。

 

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