7月後半のビットコイン/日本円(BTC/JPY)マーケット概況
7月後半のビットコイン/日本円相場は5月からの調整が一巡し、リバウンド基調が強まっています。ドル建て価格が主導する形で90万円台を回復し、一時94万円まで上昇する場面もありました。
それでは、具体的な流れを振り返ってみましょう。7月9日に分散型仮想通貨取引所プロジェクト、バンコールがイーサリアムの盗難被害にあったことが嫌気され、ビットコインは70万円まで下落しました。しかし、世界最大の資産運用会社ブラックロックが仮想通貨プロジェクトチームを立ち上げたとの報道をきっかけに反発、7月16日には75万円を回復しました。
さらに、大手資産運用会社の参入報道を受け、大規模な資金流入を期待した動きから商いが盛んになる中、7月18日には75万円から85万円付近まで急上昇しました。CBOE(シカゴ・オプション取引所)のビットコイン先物のSQ(日本時間19日午前5時)(SQ=Special Quotationの略。先物・オプション取引で決済最終日までに決済されなかったポジションを清算するための指数)を控え、先物で仕掛け的な買いが入り、これに釣られる形で上昇したようです。
85万円に迫ったビットコインですが、5月下旬~6月上旬の水準を回復するなどしたことで目先の達成感が強まり、7月19~22日は一旦調整。80万円台前半でもみ合う中、節目の80万円を維持しており、底堅さも意識されました。
また、6月下旬から7月上旬の上昇をけん引したビットコインETF(ビットコインが投資対象に含まれる上場投資信託)への思惑も改めて材料視されました。7月22日頃から関係者筋の話として、SEC(米証券取引委員会)がビットコインETFを承認するとの報道が出始めました。加えて、CBOEがビットコインETFの上場申請を行っていたことが明らかとなっています。これについては8月にも承認されるとの関係者の声も聞かれました。こうした報道からビットコインETFの実現期待が高まり、買いが先行。7月24日には90万円台を回復しました。
リバウンド基調が強まっているビットコインですが、下降を続けていた7月25日移動平均線が上昇に転じているほか、ドミナンス(仮想通貨市場全体に占めるビットコインの割合)も上昇を続けています。特にドミナンスに関しては17年末のバブル期との類似性を指摘する声もあり、本格的な上昇トレンドへの転換が期待されるところです。
■ビットコインの12時間足チャート
BTC/JPYとの相関係数(7月12日~7月26日)
- ドル/円 ▲0.70(▲0.34)
- 日経平均 ▲0.24(▲0.72)
- 金/ドル ▲0.71(△0.21)
- 米10年債 △0.82(▲0.31)
- NYダウ △0.68(▲0.01)
※フィスコ仮想通貨取引所のBTC/JPYの終値ベース
※1~0.7は強い相関あり、0.7~0. 4はやや相関あり、0.4~0.2は弱い相関あり
※カッコ内は前回(6月28日~7月12日)のもの