ポイント1:イデコで自分名義の年金を準備しておく
イデコとは、働き方や被保険者の区分に関係なく、自分の名義で年金資産を作ることができる制度です。結婚や出産を機に一時的に働き方を変えるようなことがあっても、年金の「持ち運び」ができるので、年金資産を増やし続けることができるのです。
女性の働き方の多様化が進む中、最近は、以下のようなケースも増えています。
- 加入当初は会社員(第2号被保険者)だったが、より柔軟な働き方を求めてフリーランス(第1号被保険者)になった。
- 加入当初は専業主婦(第3号被保険者)だったが、パートタイマーを経て正社員(第2号被保険者)として働くことになった。
- 加入中、子育てに専念するために一度会社を退職して専業主婦になったが(第2号→第3号被保険者)、子どもの進学と同時に再雇用制度を利用して元の会社に復職した(第2号被保険者)。
いずれのケースでも、働き方やライフプランの変更に伴って加入資格も変わっていますが、イデコの場合、運営管理機関である金融機関を通じて、「加入者被保険者種別変更届」を記入・提出すれば、イデコを継続できます。2017年1月からイデコの加入対象が専業主婦(第3号被保険者)にも広がったことで、より女性が使いやすい制度になりました。
ポイント2:ニーズに合わせて医療保険の加入も検討する
保険会社を通じて加入する民間医療保険は、公的な保障だけでは賄えない部分をカバーするためのものです。婦人科検診を含め、近年は自治体や健康保険組合の補助も充実してきましたが、乳がんや子宮頸がんといった、女性特有の病気の罹患率は、現実として増加傾向にあります。公的制度の対象とならない部分については、やはり民間の医療保険でカバーする必要があります。
その代表例が、希望して個室に入院した場合などに発生する差額ベッド代(正確には「特別療養環境室料」と言います)。
この差額ベッド代は、健康保険の対象外で、全額が自己負担となります。女性の場合は特に、療養時のプライバシーを確保したいという要望も少なくないため、ニーズに合わせて医療保険でカバーすることも検討したほうがいいでしょう。
なお、医療保険は一般的に、妊娠すると加入しにくくなるか、加入に際して条件が付く場合が多くなっています。
なぜなら、妊娠・出産の際は、帝王切開を含む異常分娩など、さまざまなトラブルが起こる可能性があるからです。医療保険の中には妊娠7カ月(27週)を過ぎると加入できないものも多いため、加入を検討するなら、妊活中・妊娠前がおすすめです。
そしてここが重要ですが、医療保険に加入する目的は、お金を増やすことではなく、あくまでも医療費の保障だということを忘れないでください。
生存給付金が受け取れる、貯蓄性を重視した保険は、保険料が割高に設定されているため、決しておすすめはできないものなのです。
おひとりさま、結婚、出産、離婚…女性はさまざまなライフイベントを経験することになりますが、将来のお金不安を解消するため、今すぐ実践できるポイント2つを検討してみてはいかがでしょうか。