本日3月8日から明日9日にかけては重要指標が目白押し。3月相場の最初のヤマ場となります。

 本日はECB(欧州中央銀行)、明日は日銀が政策金利を決定。金曜日には、米国とカナダの雇用統計が発表されます。

 日銀は9日に開かれる金融政策会合で、政策の現状維持を決定します。先月28日に、日銀は超長期国債の買いオペ金額を縮小しました。また黒田総裁が国会の所信聴取で、「2019年度中に物価目標2%を達成できる」と楽観的見通しを述べたことで、日銀の出口戦略に対する期待が再び高まっています。

 YCC(長短金利操作、イールドカーブコントロール)政策は、もともと政策に柔軟性を持たせることが目的で、「減額イコール引き締め」ではない、というのが日銀の公式見解です。とはいえ、減額は日銀のステルス利上げだとマーケットは考えています。今回もYCC政策の方針が最大の関心事になることは確かですが、日銀は105円まで進んだ円高を警戒していると思われ、マーケットをいたずらに刺激するような行動は控えるかもしれません。

 8日発表の日本の10~12月期GDP(改定値)の前期比年率年は+0.5%から+1.6%に上方修正。日銀の出口戦略の環境は整いつつあります。

 ECBは9日の会合で、政策の現状維持を決定する予定。緩和縮小の次、すなわちECBが来年利上げをするか、というのがマーケットの最大の関心事です。ドラギ総裁は、前回の会合で「(金利に関する)フォワードガイダンスの変更についての話し合いはなかった」と述べました。一方で、ドイツ連銀総裁は利上げ時期の前倒しを示唆するような発言をしています。ECBスタッフが発表する2020年までの経済見通しとインフレ見通しは前回から変わらないとの見方です。

 9日に発表される米国の2月雇用統計は、非農業部門雇用者数が+20.5万人(前回20.0万人)、失業率はさらに低下して4.0%(前回4.1%)、また平均労働賃金は前月比0.3%で横ばい予想。

 減税効果のアップサイドリスク期待がある一方で、株式市場の影響がダウンサイドリスクとなって表れる可能性もあります。2月雇用統計についての詳しい解説は、雇用統計直前レポートをご覧ください。

 カナダの雇用統計は、新規雇用者数+2.1%(前回-8.8万人)、失業率は5.9%で横ばいの予想。健全と考えられていたカナダの労働市場ですが、先月の新規雇用者数が予想外のマイナスだったために、不安感が出始めています。今回の結果も悪ければ、BoC(カナダ銀行)の次回利上げは更に遠のくことになり、中期的なカナダ安要因となります。

 

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