MLPとは?

MLPとは、マスター・リミテッド・パートナーシップ(Master Limited Partnership)の略称で、米国で行われている共同投資事業形態のこと。MLPが関わる事業は様々だが、主な投資対象となるのは石油・天然ガスの精製、備蓄、輸送(パイプライン)施設などエネルギー・インフラに関わる事業である。多くの場合、施設利用料などを長期契約することで安定的に収入を得ているため、景気の影響を受けにくいといわれている。

(出所:日興アセットマネジメント)

MLPの魅力とは?

魅力①高い配当利回り、配当成長率

MLPは、収益の大半を配当として支払うことを方針としていることから、他の資産クラスと比べて利回り水準が高い傾向にある。また、MLPは年間の配当金の変化を表す配当成長率が高く、今後も天然ガスや石油の増産が見込まれることから配当金の安定的な成長が期待されている。配当利回りと配当成長率を合わせた期待リターンは米国の主要な資産クラスのなかでもトップクラスにある。

図:米国の主要資産クラスの利回り水準と配当成長率の予想

(出所:野村アセットマネジメント)

図:MLPの配当成長率の推移

(出所:ドイチェ・アセット・マネジメント)

魅力②米国REITに次ぐ市場規模、シェール革命でさらなる市場拡大

MLPはエネルギー版REITとも呼ばれ、米国では1980年代から個人投資家を中心に資金を集め、株式、債券、REITといった代表的な資産クラスと同じく、分散投資に欠かせない資産クラスとして広く認知されている。2014年4月末現在、MLPの時価総額は6,498億米ドル(約67兆円)に達している。米国ではREIT市場(時価総額7,882億米ドル=約81兆円)に次ぐ規模にまで成長し、特に安定したインカムが得られる投資対象として注目されている。シェール革命などによる石油・天然ガスの増産を背景に今後も市場規模が拡大することが予想される。

図:米国におけるMLPとREITの時価総額推移

(出所:レッグ・メイソン・アセット・マネジメント)

図:MLPと米国REITの比較

(出所:ドイチェ・アセット・マネジメント)

魅力③相対的に良好なパフォーマンスと低いリスク

MLPは、相対的に高い配当利回りと配当成長率をリターンの源泉として、他の資産クラスを上回る実績を残してきた。また、値動きの大きさ(価格変動リスク)を表す標準偏差は、米国REITよりも低い数値を残しており、リターン効率の高い資産クラスといえる。

図:MLPと主要資産クラスのトータルリターン推移

(※MLPはアレリアンMLPインデックス、米国リートはEPRA NAREIT米国インデックス、米国株式はS&P500種、米国ハイ・イールド債はBofAメリルリンチ米国ハイ・イールド社債インデックス、米国国債はシティ世界国債アメリカインデックスを使用しています。)

(出所)ドイチェ・アセット・マネジメント

図:MLPと主要資産クラスのリスク

(※算出期間(2002年12月末~2012年12月末)。MLP:アレリアンMLP指数、米国株:S&P500指数、米国リート:FTSE/NAREITオール・エクイティ・リート指数)
米国HY債:バークレイズ米国ハイイールド社債指数、米国債:バークレイズ米国債指数
(出所:レッグ・メイソン・アセット・マネジメント)