投資信託は、着目するポイントによって様々な分類が可能ですが、ここでは代表的かつ基本的な分類を紹介しましょう。

 

設立形態による分類(契約型と会社型)

 契約型とは、投資家が運用会社に資金を委託し、運用会社は信託会社との間で信託契約を締結して一つのファンドとし、運用会社がその資金を運用して投資家に収益を還元する形態です。わが国の投資信託(証券投資信託)は契約型です。
会社型とは、投資運用を目的とする会社を設立して、投資家はその会社の株主となることによって会社の収益の分配を受ける形態です。わが国では投資法人といいます。代表的なものとしては、上場REIT(不動産投資信託)があります。

 

勧誘対象による分類(公募と私募)

 公募とは、多数の投資家を相手に募集が行われるもので、一般的な投資信託です。
一方、私募とは、金融機関など特定の投資家を対象としたり、少人数の特定の投資家を対象とした商品です。

 

買い戻しの有無による分類(オープン・エンド型とクローズド・エンド型)

 発行証券の買い戻し(解約)を認めるものをオープン・エンド型、認めないものをクローズド・エンド型といいます。
オープン・エンド型は、投資家は資金が必要になったときにいつでも発行証券の解約を申し込むことによって、ファンドの純資産額に基づく価格で資金を受け取ることができます。大半の投資信託はオープン・エンド型です。
クローズド・エンド型は、解約による換金はできませんが、発行証券は証券取引所に上場され、投資家はいつでも時価で売買することができます。ただし、取引所での売買価格は、必ずしもファンドの純資産額を基準として算出された価格になるとは限りません。上場REITはクローズド・エンド型です。

 

追加設定の有無による分類(追加型と単位型)

 追加型とは、当初設定日以降も資金の追加ができるもので、オープン型ともいいます。投資家は基本的に、いつでも時価である基準価額(ファンドの純資産総額を受益権総口数で除した価額)でファンドを購入(追加設定)することができます。
単位型とは、当初の募集期間に集められた資金を一つの単位としてファンドを設定し、当初設定日以降は資金の追加を認めないタイプで、ユニット型ともいわれます。わが国では定時定型(毎月同じ商品性のファンドが新規に募集されるタイプ)とスポット型(投信会社が証券市場や経済動向を勘案して、随時募集されるタイプ)があります。

 

投資対象による分類(公社債投資信託と株式投資信託)

 公社債投資信託とは、株式を一切組み入れずに公社債を主な投資対象とする投資信託です。株式投資信託とは、基本的に株式を投資対象とする投資信託です。詳しくは第6章、第7章でご説明します。

 

投資信託協会の分類

 投資信託協会は、投資信託を表のように分類しています。これについても、詳しくは第6章、第7章でご説明します。