10年本決算は13%減益、11年にオイルシード/コメ部門の業績回復を予想
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00606 | 中国糧油控股(チャイナ・アグリ・インダストリーズ) |
8.76 HKD (03/31現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国糧油控股の2010年12月本決算は、純利益が前年比13%減の17億HKドルだった。主にオイルシード(油糧種子)部門およびコメ部門の業績悪化が減益要因。オイルシード部門はヘッジ未実現損失の計上を受け、粗利益率が前年を2.6ポイント下回る1.7%にとどまったが、BOCIはこの点は事前に予想されていたと指摘。むしろコメ部門の営業赤字が予想外だったとしている。コメ部門の業績悪化は主に、輸出量の落ち込みや市場シェア拡大に伴う販売管理費の増大が背景。一方、ビール部門、バイオ部門の業績はほぼ予想通りで、製粉部門の業績は予想を上回る水準に達した。
オイルシード部門の粗利益率はヘッジ損失の計上を受けて大幅に悪化したが、同社経営陣によれば、この要因を除いた場合の粗利益率は、ここ5-6年間で2番目に高い水準に達したという。BOCIは11年に、10年に計上したヘッジ未実現損失の戻し入れが行われる可能性を指摘。10年に悪化した同部門の粗利益率が6.0%まで改善し、通常レベルの5-7%を回復する見通しを示した。一方、コメ部門についても、国際価格相場の上昇を受けた業績回復を予想。スケールメリットの拡大を背景に、国内向け販売管理費の対売り上げ比率も下向く可能性を指摘した。また、BOCIはその他部門の業績に関しては堅調を予想している。
同社のオイルシード粉砕能力、精製能力は10年期末にそれぞれ年間708万トン、225万トン。経営陣は11年末までに粉砕能力を47%引き上げる方針を明らかにしている。同社は国内最大の国有オイルシード加工事業者。中国政府が食品供給分野の管理を強化するとみられる中、BOCIは政府の支援が同社の追い風になると予想し、海外の同業他社に対する優位につながるとの期待感を示した。また、同社は引き続き新規プロジェクトをめぐって政府当局の認可を得ており、BOCIは最有力企業との格差が縮小しつつあるとみている。
同社は昨年、83億HKドルの設備投資を計画していたが、一部プロジェクトの遅れにより、実際の投資額は45億HKドルにとどまった。11年には71億HKドルの設備投資を予定しており、うち32億HKドルをオイルシード部門、16億HKドルをバイオ部門、19億HKドルをコメ部門に振り向ける方針とされている。
BOCIは決算発表を受け、11年、12年の予想EPSを5%下方修正。これに伴い目標株価(11年予想PER15倍)を引き下げながらも、同社株価に対する強気の見通しを継続している。