10年本決算は14%増益、10対4の株主割当増資計画を発表
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
---|---|---|---|
00552 | 中国通信服務股フン(チャイナ・コムサービス) |
5.60 HKD (03/31現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国通信服務の2010年12月本決算は、純利益が前年比14%増の18億1800万元と、BOCIの予想水準を達成した。売上高は同15%増の454億元とBOCI予想を1%上回る数字。部門別では、アプリケーション・コンテンツ・その他(ACO)、ビジネスプロセス・アウトソーシング(BPO)の売上高がそれぞれ24%、16%増加する一方、通信インフラ・サービス部門は12%と、相対的に低い増収率となった。ただ、中国通信業界の設備投資総額は10年に前年比14.9%落ち込んでおり、BOCIは通信インフラ部門の2ケタ増収を前向きに評価している。また、通期の粗利益率は前年を0.1ポイント上回る16.3%。経営陣は今後も16%以上を維持する見通しを明らかにしている。
同社経営陣はこのほど、株主割当増資を実施すると発表した。内資株(中国国内投資家向け)とH株の既存株10株に対して4株を割り当てる計画。同社の発行済み株式総数は57億7168万株で、その内訳は内資株が37億7883万株(65.47%)、H株が19億9285万株(34.53%)。増資に伴う新株発行数は、内資株が最大15億1153万株、H株が同7億9714万株となる。割当価格は今のところ未定だが、中国会計基準に基づく1株当たり純資産価値(10年末に2.53元)を上回り、H株の現在株価を下回る水準となる見通しという。
調達資金の用途は以下の通り。◇最大20億元を海外事業の拡大および通信キャリア向け以外の国内事業の開発に充てる◇最大15億元を戦略的な資産買収や合弁事業に充当する◇最大15億元をオペレーションセンターや研究開発、インフラ整備に振り向ける◇最大10億元を運転資金として用いる――。
BOCIは株主割当増資に伴うEPS希薄化懸念が同社株価の短期的な重しとなる可能性を指摘するとともに、同社株価が主要株価指数や同業銘柄をアウトパフォームしてきた点に言及。目標株価を据え置きながらも、同社株価に対する従来の強気見通しを中立的に引き下げている。