10年本決算は76%増益、11年の販売伸び率は10%台前半に減速か
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00489 | 東風汽車集団股フン有限公司(ドンフォン・モーター・グループ) |
12.52 HKD (03/31現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国自動車市場の急速な拡大を背景に、東風汽車集団の2010年12月通期の純利益は前年比76%増の109億8100万元に達し、BOCIの予想を1%上回った。下期の純利益は前年同期比21%増の44億5200万元。通期の粗利益率は21.5%と、2008年の16.8%、2009年の19.1%から一段と上向きに推移した。スケールメリットの拡大や製品構成の改善、単位当たり生産コストの軽減などが粗利益率の改善に寄与した。
10年通期には合弁会社、東風日産の販売台数が前年比35%増の75万6441台に上った。また、東風ホンダ、東風プジョー・シトロエンの販売台数もそれぞれ24%増、38%増。その結果、東風汽車集団全体の乗用車販売は34%増の141万8091台となり、国内業界平均(33%)とほぼ足並みをそろえた伸びを達成した。国内乗用車市場における同社の販売台数シェアは10年に約10.3%で、前年の10.2%からやや上向いた。また、乗用車の通期売上高および営業利益はそれぞれ前年比28%増、61%増。乗用車部門は同社にとって引き続き主要利益源となっており、10年通期には営業利益全体に占める同部門の割合が100%に近い水準に達した。
一方、大型トラック販売台数は前年比63%増と、09年の同9%から大幅に加速した。このほか、バスの販売台数は3%減少したが、軽トラック、中型トラックはそれぞれ33%増、41%増と好調で、商用車全体では42%増の52万7865台。業界平均(30%)を上回る伸びを背景に、商用車市場における同社シェアは前年の11.2%から12.3%に拡大した。また、商用車部門の売上高と営業利益はそれぞれ52%増、490%増。営業利益全体に占める商用車の割合は6.5%だった。
11年には引き締め政策を背景に中国国内の新車販売のスローダウンが見込まれており、BOCIは市場全体の販売台数伸び率が前年比14%に減速するとみている。特に日産自動車やホンダと合弁事業を展開する同社に関しては、日本の震災被害が生産活動に影響を及ぼす可能性を指摘し、11年の販売伸び率の減速を予想。具体的には、乗用車、商用車の販売台数伸び率がそれぞれ前年比13%、11%にペースダウンすると予測している。
BOCIは同社の現在株価が11年予想PER7.7倍、12年予想PER6.8倍の低水準で取引されていると指摘。決算発表を受けて目標株価を引き上げるとともに、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。